side Gaku ページ29
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少しして後半がスタート。前半よりも真面目にみんなで応援。
「いいね!いけー!」
「ナイッシュー!」
試合はなかなかの接戦。点を取られて取り返して、うちが相手を追う展開。
「なぁ、椎ちゃん経験者なんだよね?なんでシュート打たないのかな?」
翔「そーいやそうだな。さっきからボール運んでパスばっか。」
「あいつシュート下手くそなんじゃない?笑」
そんなことない。椎名はすごく綺麗なフォームでシュートするんだ。下手なんてそんなこと絶対ない。
翔「どーなのがっちゃん。」
岳「あえて自分で打たないんじゃない?」
椎名はキョロキョロ首を振りながらパス、またボールをもらってパス。点を決めた子に笑顔で走り寄ってハイタッチ。
岳「あいつ1人だけ突っ走って勝っても面白くないじゃん。みんなで楽しもうとしてるんだと思う。」
翔「Aらしいな。」
椎名は視野が広いんだな。みんなに満遍なくボールが回るようにパスを出して、自分はボールをもらいやすいようにスペースを作って。あいつやっぱうめーわ。
翔「残り3分!」
「今同点?あと1ゴールで勝てるじゃん!」
「頑張れ!」
「シュート打て!」
「ああ!やばい!戻れ戻れ!」
応援に熱が入る。バレーももう一試合のバスケも終わったらしく、体育館にいるやつ全員が同じ場所を見つめていた。
「あと2分!」
「あぁ!逆転された!」
翔「まだいける!スリーポイント決めて逆転しろ!」
「無理だろ!同点にして延長戦やろう!」
あと1分
翔「よっしゃ!ナイス!そのまま持ってけ!」
「もう時間ないよ!」
あと30秒
「奪われるなよ!繋げよ!」
「誰でもいいからシュート打て!」
あと10秒
「椎ちゃん空いてる!パスしろ!」
「もう間に合わないよ!」
あと5秒
翔「ナイスパス!でも距離遠い!」
いや、いける。椎名ならあそこからスリーポイントを決められる。
岳「椎名!打て!」
残り1秒で放たれたボール。
静まり返る体育館でブザーが鳴るのと同時にパシュっと心地よい音が響いた。
「「「勝ったー!!」」」
「ブザービート!」
翔「すげーよ!Aかっこいい!」
「スリー決めちゃった!」
岳「下行こう!」
駆け下りたコートでは女子が抱き合って勝利を喜んでいた。
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作者名:Pin | 作成日時:2016年1月27日 23時