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点を決めたり決められたり。
どっこいどっこいの試合を "頑張れー" と時々声をかけながら応援。





「なぁなぁ、椎ちゃんって可愛いと思わない?」




1人が言い出した言葉にクラスの男子全員が反応する。





「可愛いよなぁ。俺結構タイプ。」


「あのサバサバした性格がいいんだよな。」


「もし2人きりの時に甘えられでもしたらコロッと落ちる自信があるわ。笑」





椎名ってモテるんだな。そういやサッカー部のやつらも可愛いとか言ってたっけ。






「岳はどう思う?」


岳「へ?俺?」


「おまえ椎ちゃんと仲良しじゃん。可愛いなーって思わないの?」


岳「あいつは可愛くない。可愛いっていうのは中原みたいな子を言うんじゃない?」


「恵梨香ちゃんもほんと可愛い!」


「岳は恵梨香ちゃんがタイプなんだ?」


岳「そーいうことじゃなくて、」





視線をコートに戻す。椎名は長い髪を揺らしながら懸命にコートを走り回っていた。






岳「........椎名は綺麗。すっごく綺麗だと思う。」





前を向いたまま答えると返ってきたのは無言。
さっきみたいに "そーだよな!" って言ってくれるの期待してたんだけど。



隣に視線を向けるとニヤニヤと俺を見る無数の目。





「岳は椎ちゃんが好きなんだな。」


岳「なんでそうなるんだよ。だったらおまえも椎名のこと好きってことになるでしょ?」


「そーじゃないじゃん。おまえの言葉には愛が詰まってる。笑」


岳「意味わかんねーよ。笑」




ピーっと鳴るブザーの音。前半が終わってちょっと休憩らしい。


みんなが "おつかれー!後半も頑張れー" と声をかけるのをぼんやりと眺めていた。





翔「だから言っただろ?誰の目に見ても岳はAのこと好きなように見えるんだよ。」


岳「おまえは黙ってたと思ったら人間観察?趣味悪いな。」


翔「キューピッドになるって約束したからな。どう?そろそろ認める?」


岳「.....好きってよくわかんない。」




水を飲みながらみんなと楽しそうに笑う椎名を見つめる。





岳「椎名とどうこうなりたいなんて思わないよ。でも、目で追っちゃう。気づくとあの髪に手を伸ばしてる。」


翔「それが好きの始まりなんじゃない?」


岳「そーなのかなぁ。」




モヤモヤした何かが喉に引っかかっているような、そんな感覚。





岳「好きって、なんなんだろう。」





パチリと椎名と目が合う。
ヒラヒラと笑顔で手を振る彼女に俺も手を振り返した。




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設定タグ:柴崎岳 , サッカー   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Pin | 作成日時:2016年1月27日 23時

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