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岳「椎名がいたっていなくたってその試合は負けてたんだよ、きっと。」
『.....そんなのわかんないじゃん。私がいなかったら勝ってたかもしれない。』
岳「それこそわかんないじゃん。椎名が試合に出なかった時の事なんて誰にもわかんないよ。
だから自分のこと責めるのやめろ。」
『無理だよ!思い出しちゃうんだもん!苦しいの!あの日の事思い出すと辛いのっ......!』
堪えきれずに溢れた涙が頬を伝った。
何泣いてんだ私。かっこ悪い。こんなところ柴崎に見られたくない。
掴まれていない方の腕を顔の上に乗せたが、それはすぐに柴崎によってどかされてしまった。
岳「俺らもっと早く出会ってればよかったね。」
『....え?』
岳「俺がその試合見にいってたらチームメイトに言ってやったのに。椎名のこと責めるなって。
そしたら椎名は今こんなことで泣かなかったかもしれないのに。」
頬を撫でるように拭われる涙。
岳「って言っても俺はその時おまえと出会ってなかったし。たらればなんて言っても仕方ないし過去は変わらない。
でも今、俺は椎名と一緒にいる。
だからこれからは俺が椎名のこと守ってあげる。」
柴崎はさっきとは違う優しい表情で私の頬を撫でた。
ドキドキと早くなる心臓。
胸がきゅっと音を立てる。
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作者名:Pin | 作成日時:2016年1月27日 23時