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いつもは真っ暗な我が家。
でも今日は明かりがついていて、いつもより足取り軽く玄関を開けた。
『ただいまー。』
母「おかえり!もうご飯よ!」
キッチンとリビングをパタパタと行き来する母。こんな姿見るのも久しぶり。
『お母さん今日は仕事終わり?』
母「終わってないけどお父さんに押し付けて来た。笑」
『お父さん可哀想。笑』
うちの両親はお医者さん。市内の大きな病院で働いていて、いつも忙しそうにしている。
母「さぁ、食べましょ!」
『いただきまーす!』
お母さんの手料理を食べるのも久しぶり。やっぱり美味しい。
母「A、学校はどう?」
『楽しいよ。友達もできたし。』
母「いつも1人にしちゃってごめんね。」
『全然平気!』
寂しく思わないわけじゃない。
それでも仕事に誇りを持って働いている両親は私の憧れだ。
母「明日はお母さんがお弁当作ってあげるからね。」
『うん!.....あ、だめだ。自分で作る。』
母「なんで?」
『お弁当作って欲しいって言われたから。』
せっかくお母さんのお弁当食べれるところだったのに。タイミング悪いなぁ。
母「彼氏?」
『は?』
ニヤニヤしながら私を見る母。
母「彼氏に作って欲しいって言われたんでしょ。笑」
『違う!同じクラスの友達で、その子寮に住んでるからいつもお昼学食なんだ。それで明日誕生日だから作ってあげるって約束して、』
母「娘の好きな子かぁ。お母さんその子に会いたいな。」
『....友達が男だなんて言ってないじゃん。』
母「女の子なの?」
『男。』
母「そうよねぇ。笑」
ニヤニヤと私に向けられる視線。母親恐るべし。
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作者名:Pin | 作成日時:2016年1月27日 23時