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『いいよ、教室に行こうか?』



あれからすぐに返信をくれて、約束の昼休みになっているわけで。
教室では出来ない話だというのは共通認識だから、圭人に借りたという美術準備室の鍵を持って教室を出た。



「ごめん、色々と首突っ込んで。」

「山田が気にしなくてもいいよ。巻き込んだのはこっちだから。」



ガチャ、と鍵の開く音がすれば美術準備室の扉は開いた。
中にはたくさんのキャンバスと絵の具、それから画材があった。


どれももう使われていないようで、埃を被っている。
美術部の廃部危機も噂じゃないことを証明するには十分なものだった。



「山田はさ、知ってるんだよね。」

「全部じゃないけど、一応は?」

「そっかぁ。いや実はさ、圭人もかなり焦ってるみたいでさ。知念と連絡が取れないらしいよ。」

「圭人も?俺もそうだから、分かんないけど。」




うーん、と雄也は悩ましげな顔をして何かを考え込む。



「…知念は元々群を抜いて頭がいいし、光くんも簡単に騙されるほど馬鹿じゃない。何がどうなってるのか俺にも正直よく分からないんだよね。」

「雄也でも分からないの?」

「うん。でも山田には話してもいいかなって。約束は絶対に守ってくれるだろうし。」



直接口には出さなかったけれど、これを信頼と呼ぶのなら俺は今、信頼されているということだ。
だったら俺も信じよう。
役に立ちたいんじゃない、そんな善人面がしたいわけじゃない。


「友達を助けるのに、理由なんかない。俺でよかったら何でも協力するよ。」

「助かる。それじゃあ早速全部話すから、分からなかったら聞いて?」

「うん、ありがとう。」





これでようやく分かるんだ。
ずっと分からなかった謎が解けるんだ。


友達の居ない教室ほど寂しいものはない。
何度だって声を大にして言おう。




二人とも、俺の大切な友達だから。

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天凪(プロフ) - Naraさん» お返事が遅くなりました…!そう思って頂けたなら嬉しいです!温かいコメントありがとうございます! (2017年11月26日 16時) (レス) id: 73cf59f499 (このIDを非表示/違反報告)
Nara(プロフ) - すごく良いお話ですね 読みながらその世界に入って行っちゃって(苦笑) すっごく泣けました (2017年11月19日 11時) (レス) id: 6028a802df (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» 最後までお付き合い本当にありがとうございました!いつもいつも温かい応援をしてくださるので、とても励みになっています!過去作も読んでいただけるなんて…!本当に嬉しい限りです! (2017年8月30日 22時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 完結おめでとうございます!とても続きが気になり、ワクワクしながら最後まで読ませていただきました!過去作で見てないものが3つあったので、これから読もうと思います!!! (2017年8月29日 22時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
天凪(プロフ) - NMダイキング担さん» ありがとうございます!ラストスパートになるかと思いますので、これからも頑張ります!更新速度も是非上げていきたいです!最後まで応援よろしくお願いします! (2017年5月29日 16時) (レス) id: a99f998358 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天凪 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年5月7日 17時

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