お隣さんの提案２ ページ15
"好きじゃないけど影山と付き合う"
選択肢としてはなしではないけど
やっぱり何かしっくりこない
頭を抱えていると、朝御飯を食べ終わった隣の月島から視線を感じた
『……？なに？』
月島「…………僕の知ってる君は
王様のためなら針山だって登れるんだけど」
『は！？針山！？急に何の話！？』
針山って、地獄とかにありそうなあれのこと？
月島「…君は王様のためならたとえ王様のことが好きじゃなくても付き合えるでしょってこと
違う？」
『え！？違…！』
…いや、どうなんだろう
確かに影山にはできるかぎり何でもしてあげたいし、喜ばせてあげたいと思う
今までもそうだったし
嬉しそうな顔を見るたび満たされる感じがした
だけどそれとこれとは違う気がする
付き合って、影山が満たされたとして
それはほんとにお互いが満たされるのかな
『…影山が私のことを好きなのが
勘違いであってほしかったの』
月島「！」
そしたら
仲直りしたあとも今まで通りで
何の気兼ねもなく
遊んで 食べて 勉強して
あんまんとカレーまんを半分こするたびに
幸せを感じるような
そんな、心の底から笑いあえるような友だちでいれて
『けど、それも期待できそうにないんだよね
昨日はっきりわかっちゃって…
あぁ、影山ってほんとに
私のこと好きなんだなって』
私は影山とただの友だちでいたかった
"恋愛"なんて言葉
2人の間にちらつかせたくもなかった
影山の好意を断っても
影山の好意を受け入れても
もうもとには戻れない
だから、返事をしなくてもよくなるように
『…願わくば早めに諦めついたり、飽きたりして身を引いてくれないかなって思うんだよね』
それで、普通の友だちに戻りたい
これは紛れもない本音だった
月島が頬杖をついて私の横顔をみつめる
月島「…まあ別に、君がほんと〜〜にそれでいいなら、僕は何も言わないけどさ」
『…？なに、どういうこと』
月島「"そう"なったとき君が後悔するなら、僕は泣きつかれる人になりかねないからね」
『？？』
どういうことかよくわかっていない私をみて
月島がひとつ、ため息をつく
月島「君、一回でも
王様が君を追いかけなくなったときのこと
想像したことある？」
『！』
月島「"そう"なってから後悔するんじゃ
遅いんだよ」
私をみつめるその金色の瞳は
すべてを見透かしているようだった
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街角のドーナツ屋(プロフ) - みずきさん» 読んでいただいて、たくさん褒めていただいてありがとうございます！！何度も読んでいただけるのは本当に嬉しいです〜☺️💓 (2022年12月21日 22時) (
レス) id: 2c7b5feb18 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - まさに運命的な出会いで今日初めて街角のドーナツ屋さんのお話を読ませていただいたのですが、、好みどストライクですありがとうございます(真顔)めっちゃ好きな作品だったのでまた読み返しに来ます！！！ (2022年7月18日 2時) (レス) @page36 id: 2b194ba946 (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - みおさん» 最後までみてくださってありがとうございます！！すごく褒めてくださってとっても嬉しいです☺️ (2022年2月25日 23時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - すっごいいい話でした…。ものすごく感動する素敵な作品ですね。面白かったです (2022年2月13日 1時) (レス) @page36 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - 黒瀬将哲さん» プロポーズのところは一番書きたかったんです！(笑)考えていた雰囲気バッチリに書けたのでとても満足しています！最後まで読んでくださってありがとうございました！！ (2021年6月1日 23時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：街角のドーナツ屋
| 作成日時：2021年3月4日 19時
