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裸になった木の枝が寒そうに震えて私たちに訴えかけてくる。
窓側の席はどうにも隙間風が入って肌寒い。持ってきた膝掛けもほとんど意味を成していない。
前の席のあなたも寒そうに体を震わせているから、思わず肩を叩いて振り返るのを待ってしまう。
少しでも寒さを凌げたらと膝掛けを渡そうとしても同じ窓側の人間として寒さを実感しているからか、遠慮されてしまう。
私は大丈夫なのに。
ねぇ。私が優しさだけで貸すだなんて言ってると思う？
この時間がなくなってしまってもあなたの記憶に残れるようにしているんだよ。
それすら気づいていないあなたは鈍感だね。
「変に暖まると眠くなるからいいわ」
「それはわかるかも。でも寒くてノート、写せる？」
「最悪お前の借りるから」
「もう、仕方ないなぁ」
いつもより綺麗な字で書かないといけないじゃない。
手を口元にやって、上品に見せながら笑う。
これってね、口元を隠せるからとても便利なんだよ。
実際、あなたは気づいていないでしょう。
今までの笑顔でいくつか歪みがあることに。
「眠てぇ」
「寝ちゃダメだよ」
「わかってるけどさ、眠いもんは眠いわ」
「昨日はごめんね」
「ん？楽しかったからいいよ」
「やっぱり寝てていいよ」
「ちゃんと起きるわ」
「無理はしないでね」
無理をさせてる私が言えたことじゃないけど。
担任の先生が教室に入ってきて、あなたは前を向く。先生に怒られてしまうから。
でもそれだけじゃないの。優等生のあの子に不真面目だと思われたくないから。
ねぇ。当たってるでしょ？
長い間後ろから見てたから、わかっちゃうんだよ。
そんなあなたを見て私が笑っていることにも気づいてないんだろうね。だってあなたは鈍感だもん。
でも、私からしたら気づいて欲しくないの。
だって涙を堪えながら笑う笑顔ほど醜いものはないから。
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鷲(プロフ) - とある曲のパロディともあってその曲も聴きたいと思わせる本当に本当に素晴らしい作品でした。この作品を読んで私も書いてみようと思いました。素晴らしい作品をありがとうございました。二つに分けて長い文を送ってしまいすみません。 (2019年1月3日 0時) (
レス) id: f36253e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
鷲(プロフ) - 今、コメントさせていただいてますが、実は以前からこの作品を読ませていただいていました。切なくて辛くて、でも甘酸っぱいようなくすぐったいようなそんな素晴らしい作品でした。もう何回も読み返しています。 (2019年1月3日 0時) (レス) id: f36253e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
こんぶぽんず(プロフ) - 久しぶりにこんなに泣きました。この曲に出会えてよかったです、報われないラストってとてもいいですね。 (2017年8月7日 1時) (レス) id: 4e7d4086dd (このIDを非表示/違反報告)
ティア - 感動しました!貴方様のおかげでこの曲に出会えました (2016年5月3日 17時) (レス) id: 71e7302b5c (このIDを非表示/違反報告)
アイン(プロフ) - すごく良かったです！フォーマルハウトって誰の曲なんですか？聴いてみたくなりました！ (2016年3月7日 19時) (レス) id: 08db152137 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栞夢 | 作成日時：2016年2月25日 3時
