4話 ページ6
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「いらっしゃいませ」
店内のお客さんも皆驚く。
その言葉は今の状況からすれば、とても勇気が入り用なことであったからだ。
「どうぞ」
優しい言葉で少し彼女は微笑んだ。
どこか懐かしいような寂しいような
小さな
笑顔だ。
「.........」
「?。アメリカさん」
「あ...すまない!行く行く」
菊に呼ばれて
ハッとすると賑わう店内のちょうど空いた席に座った。
「thanks!」
お礼を述べると彼女は小さくお辞儀をした。
「珈琲ありますか?」
「はい、二人前ですか?」
菊は「一つでいいですこの方に」と言って
自分は玉露を頼んだ。
「玉露一つ、珈琲一つ入ります」
細い声だが
店内に響き渡るのにはちょうど良い声量だ。
「他に何か?」と菊。
「.........」
「....アメリカさん?」
「ハッ!!」
またぼうっとしてしまった。
いよいよ心配になってしまった菊。
「先程からどうしたのですか?」
口を噤んで
アルフレッドは混乱した。
「ちゃんと聞いてるぞ!HAHAHA」
何故こんな混乱しているのかわからない。
ハテナマークが頭に浮かぶ菊。
冷や汗が出ているアルフレッドは見た事がなかった。
「あの、お冷お持ちしますから。大丈夫ですか?」
現に目の前にいる彼女さえ心配してしまっている。
「all light....」
「今お持ちしますね」
「hum........」
シュンと小さくなるアルフレッド。
菊は何故か虚しい気持ちになった
「......実にすみません」
「君が謝る必要なんてないぞ!多分緊張しているんだ。わからないけど」
この店に入るまでは平気だった
でも彼女をみたその瞬間から何かがおかしい
「本当にわからないんだ...なんかこう」
「珈琲とお茶とお冷お持ちしました」
ビクッ!
となってしまうアルフレッドは何故か
可愛かった。
「あ、ありがとう」
「ありがとうございます」
(アメリカさん今日はいつもと違いますね)
菊はおどおどする彼の姿を見て
珍しいものを見れたと感じていた。
「飲んでも平気かい?」
「平気です」
そんなところは
ちゃっかりさんなアメリカさんだ。
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作者名:ミクロ | 作成日時:2017年2月28日 22時