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3話 ページ5

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「さっき通ったデカイ門はなんだい??」

「あーあれは...それより此処ですよ」



やっと到着だ。
足を止めて前を見ると茶屋らしき建物が目の前にあった。




「へー此処が...んー」

「どうかなされましたか」



全身に視線を感じて縮みあがりそうだ。
日本に来たついでに
『喫茶店に寄る』目的は目の前なのに...




「さっきからすご〜い視線を感じるんだ」

「視線。あー...」




何故かはすぐに理解できた。
「外人さんや」
「初めて見た」
という言葉が飛び交う。



「きっと貴方が珍しいんでしょう。外国の方ですし」

「そうなのかい?安心したぞ!入ろうか」



と一歩踏みしめた。
しかし




「あ待って下さい。いきなり入ると皆さんビックリしますから」




シュッ!
と一瞬で消え入るように暖簾をくぐった菊
速すぎて見えなかった。


「どこだい!?」


気がつけば10秒もかからずに菊は建物からヒョイと顔を出した。



「いいですよアメリカさん」


一声かけるとアルフレッドは
ひとつため息をついた。



「君はそういう所は早いんだなぁ、実に不思議だよ.....」



手招きされて暖簾をくぐる。
木造の建物はまだ新しく中は杉の匂いがした。

中の反応は勿論
「わ.....」
「米国の方....」
という感じである。







.......。
全てはここから始まることになる。





「にほん...緊張で胃が痛くなりそうだ」

「実にすみません。どうかお気になさらず」

「そうは言われても」



座敷が織りなす和風なお店に
少しの椅子が置いてあるという初期の西洋文化を取り入れた内装。
壁は木だが、西洋絵画と日本画がどちらも飾られており、後の「大正浪漫」と言う風だ。



「どうする」
「え....怖いよ」
「私米国の船みたんよ」

この時代はやはり
西洋の人は謎が多いというものがあった。



「日本...やっぱり..........」





すると店の奥から一人の綺麗な女性が
躊躇なく歩いてきた。
まるで当たり前のお客さんを迎えに来たように....。


「....?!」


彼女を見た瞬間
心臓が締め付けられる不思議な感覚を覚えた
実に不思議すぎる。







「いらっしゃいませ」





店内のお客さんも皆驚く。
その言葉は今の状況からすれば、とても勇気が入り用なことであったからだ。



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作者名:ミクロ | 作成日時:2017年2月28日 22時

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