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37話 ページ38

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なぜこの状況下なのか。出来事の発端である
数十分前にさかのぼる。
全てはフランシスから始まった。
よくある事だ。





『お兄さん疲れちゃったぁ、ベンチで休まない?アレに座ろうか』




一瞬にして下心が見えた気がした。
一応ベンチだがシングルのベンチだったのだ





『え。ですがあれお一人様用なんじゃ...』

『Aちゃんがお兄さんの膝に座れば
問題ないさぁ〜〜〜〜!ね?』

『ぇ....ぇえ』





きっと良からぬ事が起きる事は分かっている
なぜなぜ、性格はまったく変わらないのだろうか。100年以上も経っているのに。




『そんな。私重いですし、やめておきます』

『いいからいいから』

『いやですーー』




腕の引っ張り合いが起きてしまった。
ここは景観のいいどこかの公園
勿論人だっていっぱいいる。シングルに二人で座るなんて恥ずかしいから。




『あっちのベンチに座りましょう?流石に恥ずかしいですよ』

『乙女〜〜〜』

『…………………』





このやろう。





『ほらほらーーこないならベッドの上にでもいこうか♥』





誰か対等な立場で会話ができる者に助けを求めたい。
この変態は万年変わらないだろう。





『帰りますぅーー』

『お兄さんは帰らないーーあ!』





パッと離れて来た道を走った。





『かけっこなら負けないんだから!』





フランシスは後を追う。


この類はどうしようもない。
確かにフランシスの作る料理は美味しいし
変態を除けば紳士的で親切なお兄さんだ。

そして歴史は長く、戦いも慣れていて強い
助けを求めるならイギリスが対等かも知れない。いい所もたくさんあるのだ。




















『はぁ。疲れた...』




なのに女が目の前にいるだけでこうなってしまう。女癖が悪いというか。

公園にはわりと大きい池があった。





『どこだろここ....こんな場所あったんだ』




鳥が羽ばたく。
背伸びをすると今までの緊張がほぐれた
緑豊かな場所。





『イイバショダロ』

『ほんとね......(熊...なんで熊が...え)』




いきなりだ。
真っ白なシロクマが隣に腰掛けた。
しかも話す事ができるクマ。なぜだれ?




『よくここに来るんですか?』

『ハジメテキタ』

『私もです』



きっと中に人が入っているのだろう。
妖精じゃあるまいし。
そう思うことにした。



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作者名:ミクロ | 作成日時:2017年2月28日 22時

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