Believe －ダレモシンジナイ－ Part.2【名前変換】 (ページ10)

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■Story.60 ページ10

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彼女はﾍﾞｯﾄﾞから足を出し、俺の手をするりとどかすと

ﾌﾗﾌﾗと歩きながら部屋を出て行ってしまう。

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「Aちゃん、ご飯食べて行かない?」

あ「大丈夫です……。家に帰って食べますから。」

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裕翔「待って、一人じゃ……俺、送っていくよ。」

あ「いらない。迷惑……なの。」

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諦めと冷たさが混じったその瞳に見つめられると

思わず動けなくなる。

だけど、放っておくわけにはいかない。

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裕翔「迷惑でも送っていくよ。」

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彼女の手首を優しく掴んだ、つもりだったのに

俺の手は思いっきり振り払われた。

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あ「放っておいてよ、関わらないでって言ってるの。」

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裕翔「無理だよ、放っておけるわけ……」

あ「無理でもして。私のこと好きなんでしょ?」

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裕翔「それとこれとは別……だよ。」

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好きって言うのは相手の言うことにただ従うってことじゃない。

好きって言うのは相手を心配して、思いやって……

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あ「いい加減魔法解けてよ……。」

裕翔「魔法に何てかかってない。」

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あ「かかってる。かかってるから傍にいられるの。

お願いだから今日は放っておいて。」

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裕翔「ちょっ……A!」

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「裕翔、一人にしてあげなさい。今のあの子の状態じゃ

聞く耳持ってもらえないわ。」

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過去に囚われているというよりも過去に縛られている彼女。

その“過去”は意外な、いや……

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最悪な形で明らかになる――――……

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