Believe －ダレモシンジナイ－ Part.2【名前変換】 (ページ28)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:330,273 hit

■Story.78 ページ28

＊

＊

＊

無断欠勤と聞いてもう一度マンションに戻ったけれど

やっぱりインターホンを鳴らしても出てこなくて。

・

ドアに耳をぴたりとくっつけて中の様子を探るけれど

物音しなくて、居留守でもなさそうだった。

・

・

裕翔「どこいったの、A……」

・

・

時間が経つにつれ強まっていく雨に

凄まじい音を出す雷。

・

嫌な予感しかしないこの状況。

彼女の姿を一目見ることができればまだいいのだけれど……

・

・

びしょびしょになった服何てもう気にならない。

早く……少しでも早く彼女を見つけないと……

・

・

裕翔「ｱﾚって………………」

・

・

彼女との強烈的な出会いを思い出す。

あの日も彼女は遠くを冷め切った目で見て、

・

チカチカと青から赤に変わる歩行信号機。

向かってくる車に気づかず、足を踏み出して。

・

・

裕翔「A!」

・

・

冷え切った体が道路に叩きつけられて、

じわーっと広がる痛みで生きてることがわかる。

・

・

あ「…………邪魔、何度すれば気が済むの。」

・

・

何時間外を歩き回っていたのか。

俺よりも彼女の体は冷えていた。

・

・

震えた声に肩。

よく見ると服の隙間から新しい痣が見えた。

・

・

裕翔「A、この傷…………」

あ「いいから放っておいてよ。死なせてよ!いい加減もう楽になりたいの!」

・

・

彼女が声を荒げている姿を初めて見た。

手足をじたばたと俺を振りほどこうと頑張って、

・

でも、俺も負けじとその体をぎゅっと抱きしめた。

・

ここで離してしまったらきっと彼女はいなくなってしまうから。

Aがどう思っていようと、俺は惚れた側だから。

・

・

好きだから、彼女の全てが好きだから……

・

・

裕翔「A、俺が全部受け止めるよ。」

＊

＊

＊