Believe －ダレモシンジナイ－ Part.2【名前変換】 (ページ13)

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□Story.63 ページ13

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真帆「Aちゃん、お疲れ様。」

あ「お疲れ様でした。」

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いつものようにバイトを終えて、お店を出る。

今日は彼の姿はどこにもなかった。

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あ「…………って、何を期待してるんだろう。」

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何でいないことに違和感を感じているんだろう。

一人が当たり前だったんだから、そう感じる理由はどこにもないのに。

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「お姫様、これからこのお兄さんと……」

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チャラさ全開のホストクラブのお兄ちゃんが声をかけてきて

見渡せばさっき店に来ていた人と同じく

べろべろに酔っぱらったサラリーマン。

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そう、私が生きていかなければいけないのはこの世界で、

希望とか夢とか愛とかそんなのが溢れた世界は私には似合わない。

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そんなもの幻想に過ぎない。

みんな夢を見てるだけ、魔法にかかってるだけ。

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もう、私は魔法から解けたはず。

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ﾐｭｰｼﾞｯｸﾌﾟﾚｰﾔｰを取り出して、ｲﾔﾎﾝを耳にはめ込んで

お店を後にした。

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夜の街から離れると人が少なくなってきて

音楽を聴いていてもどことなく自分の足音が響く。

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そして、間奏が長い曲。

早送りのボタンを押そうとしたら、ﾎﾟﾝｯと肩に置かれた手。

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ぞわっと背筋に走る悪寒。

恐る恐る振り返るとその寒さは引いていく。

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裕翔「よかった、追いついて。家まで送っていくよ。」

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私と違う世界に住んでいる彼。

綺麗な瞳には汚い私がいつものように映っている。

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