お隣さん:TO ページ45
晩御飯を買いにコンビニにでも行こうかと考えていた午後20時。ピンポーンと部屋のインターホンがなった。マンションのオートロックではなく、部屋のインターホンがなったから、少々警戒しながら扉の覗き穴を覗くと少し慌ててる女性のようだった。
チェーンを掛けたまま扉を開くと、俺の顔を見てぎょっとした顔になる。
『あ、え!?』
やば、これ多分視聴者さんだ...そんな事を考えた次の瞬間、彼女は予想外の事を口にした。
『あの!クリームパン2つのお兄さんですよね?』
ト「...はい?」
『ここに1番近いパン屋さんの!』
そう言われて思い出すパン屋の光景。いつもありがとうございます〜!とにこやかな女性店員さんが脳裏にチラつく。
ト「あ!いつもありがとうございますのお姉さん!」
『わー!奇遇ですね!』
ト「確かに!...じゃなくて!えーっと...なんの用ですかね?」
ふと思い出したかのように彼女は固まり、手をパタパタ動かし始めた
『あっ、すみません!あの、私隣の部屋に住んでまして...それで、あの...洗濯物が...風で、ぴゅーっとそちらのベランダに...』
ト「ああ!なるほど。取ってきますね?」
『え、あ、ちょ...』
何かを言いかけてた彼女を玄関に迎え入れて、自分はベランダへ。地べたに落ちてる真っ赤なそれ。なかなか際どい下着履いてんな...
流石にこれは勝手に触れないと思って、再度玄関に向かうと顔を隠して壁に頭をぶつけてるお姉さんが居た。
『...すみません』
ト「あーの、そんな見てないっすけど、流石に触ると嫌かなと思ったんで、上がってください笑」
『はぁ...死にたい...申し訳ない...』
土下座をするんじゃないかという程の勢いで謝罪されながらベランダまで案内すると、彼女は凄い速さで下着を回収して、文字通りに土下座した。
『本当に家まで上がり込んでしまって申し訳ございません...』
ト「いやいや、しょうがないっすよ笑」
『あと...目に毒なものを見せてしまって...今度お詫びさせてください...』
ト「そんな!別にいいですからね?」
それでも引き下がらない彼女に、クリームパンを1つ買ってきて下さいとお願いして、更には連絡先まで交換させてもらった。
実は気になっていた店員さん。いつもにこやかに接客してくれて、俺がパンを買う度にいつもありがとうございますと必ず言ってくれる。その彼女との素敵なチャンスを逃す訳にはいかなかった。
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ぴあ(プロフ) - 海月さん» いつもありがとう海月 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - Lizさん» ありがとうございます!読み返して頂けるのは本当に作者としてありがたい限りです。 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 時雨さん» 占ツクでもTwitterでもありがとうございます。 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 珊瑚樹茄子さん» いつもいつも心温まるコメントを頂けて本当に糧になりました。ありがとうございます! (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします! (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2019年5月29日 13時