どうでもいい:TO ページ25
水溜りハウスにやってきたAは白くてヒラヒラしたワンピースを身に着けていた。刺繍、いや、レース?俺には分からない繊細な飾り付けのワンピースは天女のように透き通った肌の彼女には良く似合う衣服だ。いや、むしろ肌が主役。綺麗な肌を映えさせる為の装飾として服が仕立てあげられたようなもんだ。
今日も相変わらず男世帯の我が家の掃除を買って出てくれて、洗面所をピカピカに磨いてくれてる。するとキイチとPさんが話しかけてきた。
キ「Aさん、なんか可愛くなりました...?」
ト「あ?」
P「今日の服すごい素敵じゃん?ちゃんと褒めてあげた?」
ト「なに急に」
キ「ダメっすよ、そういうのちゃんと伝える男がモテるんすから」
ト「お前それどこ情報だよ笑」
P「ダメダメ!せっかく会いに来てくれてるのに思いやりが必要なんだから!」
お前らに言われる前から思ってるわ!!俺の彼女は天女なんだから(?)
それよりも自分の彼女が後輩にそういう目で見られてるのが気に食わなくて、素直に可愛いよなとは言えなかった。フラーっと寄ってきたカンタにまでキイチは意見を求めてる。
キ「カンタさんもAさん可愛いって思いますよね?」
カ「トミーの彼女美人だよね」
P「じゃなくて、今日の服」
カ「あー...うん、」
キ「ほら!」
ト「あーもう!!服なんかどうでもいいだろ!」
『そうだよね』
この場に居ないと思ってた彼女の声が聞こえて慌てて振り返ると少し寂しげな顔したAが立ってる。
キ「あ、や...違うっすよ...?」
『ふふ、大丈夫。知義ってそういう人だから。』
微笑んで言う彼女の腕を何とか掴んだもののなんて言えばいい?俺の発言を聞いた彼女に何言っても無駄じゃないか?
『ん?別になんとも思ってないよ』
ト「ちが、う。」
『洗面所綺麗になったよ?次は屋上行ってくる。』
俺の手をすり抜ける彼女の背に向かって何とか声を出した。
ト「違くて!どうでもいいって思わせたかっただけで!」
その場にピタリと固まった彼女は向こうを向いたままだ。
ト「可愛いってわかってんの俺だけでいいだろ別に!...てかめちゃくちゃ似合ってるし、首元出てんのえろいし、あんま見せたくないし、俺は必死に我慢してんのに無防備にうろちょろされんのも困るし...」
箍が外れた俺がペラペラ話すと、振り返ったAは顔が真っ赤だ。
『そこまで、言わなくてもよろしい...』
ト「あっ、ごめん...」
P「熱すぎぃ〜!」
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ぴあ(プロフ) - 海月さん» いつもありがとう海月 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - Lizさん» ありがとうございます!読み返して頂けるのは本当に作者としてありがたい限りです。 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 時雨さん» 占ツクでもTwitterでもありがとうございます。 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - 珊瑚樹茄子さん» いつもいつも心温まるコメントを頂けて本当に糧になりました。ありがとうございます! (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
ぴあ(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします! (2020年3月11日 8時) (レス) id: 84b390d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴあ | 作成日時:2019年5月29日 13時