鬼と人の境界者

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善逸side






気付いたら終わっていた。




(誰も死ななかった…！)



本当にAは凄かった。






鬼から近い家を一時的に移動させたり、見たことのない技を使っていた。






(これが鬼殺隊！！でも……)






鬼を倒す直前、Aの音が消えた。





凄く怖かった。



だって音がないってことは死んだことと同じだから。






闇に隠れていくAはもう帰ってこれないのではと思うほど…








俺はAの袖を掴んだ。




Aは笑った。


静かな音だけど、そこにはAがいる。






もうAの術は解けてた。



町を包んでいた白い膜は消え、朝日が出始める。









爺ちゃんのとこに戻る途中でAにある疑問を投げかけた。





「Aは何で鬼と戦ってるの？」







『…うーん、天国に行くため？』





「……は？何それw」





その時は全然信じてなかったけど






Aの目は真っ直ぐ前を向いていた。




(…鬼と戦わなくたってAなら天国に行けると思うけどね)









次の日にはAはここを出発した。









「ねぇ爺ちゃん、俺もあんな風になれるかな」



「……お前の努力しだいだ」



Aを見送った後、



俺と爺ちゃんは稽古場に戻った。

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