鬼と人の境界者

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全side





鬼の気配が俺の領域に近づいていた。



そして


一歩鬼が踏み出した。





『…捕えた。』








(南南西の方向。相当人を食ったんだろう殺気が溢れている…)





真の呼吸


参の型


『空閑滅園束縛』(くうかんめつえんそばく)





「！！？」







領域の中では特定の人物や物を動かすことが出来る。








『善逸、ここに鬼を転送する。しっかり隠れてろ』









俺は空間を切った。




そしてそこから鬼を引きずり出す。








「へェ…面白イ技を使ウナぁ、欲シイナァア」


『…これは驚いた。潰したはずなのにもう治ってる。』






この空間に鬼が入った直後、こいつだけを空気の圧で潰していた。






(首だけ自分の術で守ったのか…)








きっとこいつの血鬼術は防御型だ。




(町で一人も逃さず殺すには町から出られないようにするしかないはず)









「！！A！そいつからたくさんの音がする！何かやってくるかも」



(なんだこのギギギって音…無理矢理何か動かしてるような……)






この時、善逸は嫌な予感がした。






(もしかしたらこの鬼の他に…




動いてる奴がいるのかも)









また口を開いた時だった。



今自分がいる場所が変わっていることに気が付いたのだ。









『…助かった善逸。けど今は喋るな、バレる』









さっきまでいた場所はぽっかりと穴が空いていた。




よく見てみると空いた穴から手の様なものが出ていた。


(ゾゾゾッ何なんだよ！これ！！)

鳥肌が止まらない。









「僕、オトモダチがほシインダ。たっくさんネエ？ボクを信頼シテ着いてきてクレルトモダチが」






すると地面がどんどん空いて、その中から人がうようよ湧き出てきた。







(全員死んでる…音がしない)







『…そうか、お前は町の人達を殺して操ってたのか…』








操られている彼らをAは見た。







「今、楽にしてやるからな」

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