鬼と人の境界者

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善逸side



稽古が終わった後だった。






(すごく静かな音……)



人の音なのにまるで風みたいで雑音がない。






気になってその音を追いかけた。




(ここかな…？)




さっきまで爺ちゃんに稽古をつけてもらっていた所だった。





その音の本人であろう人物が見える所でじっと見つめた。






(お面に軍服……鬼殺隊の人かな。)





右に付けている耳飾りが動くたびにピカピカ光っていた。






(こいつ絶対イケメンだ。くそ！絶対口きかねぇ)






そう決断した直後に


『なぁそこの君』






「ひやあぁあ！！」


(急に話しかけんなよ！！！！)









それから色々あってそいつは爺ちゃんの友達で会いにきたって事を知った。






「鬼？ここらでは出てないぞ」



『そうか、隣町ではもう生きてる奴がいない。食われたそうだ』




(鬼鬼って怖！！！何物騒な話してんだよ)






耳が良いせいで全部丸聞こえ。








『……でも、良かった。ここはまだ死者はいないんだな？』




「…だがこんな大規模な術を使う奴だ。一人じゃ危険だぞ」





『大丈夫』







その時綺麗な音が響いた。




『俺は全員守る。誰一人欠けさせない、町一つ守るぐらいどうって事ないさ』






川？海？の流れのような心地いい音。







(なんて…優しい音なんだろう)

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