193. ページ45
.
さっきまでは気づかんかったけど、Aの耳にぶら下がるピアスは、今年の誕生日に俺があげたやつで。それに触れると、耳が弱いAが小さく声をあげるからまたしても昂る感情。
「外でこれ付けてんの初めて見た」
『ちょ、や、』
「俺があげたピアス付けて、俺とお揃いの香水して、どうしたん今日。珍しいやん、仕事の時に付けんの」
『……聞いても笑わへん？』
「ん？笑わんよ？」
『あ、朝からめちゃくちゃ緊張してて、朝からって言うかもはや決まった時から。だ、だから誠也くんに貰ったもの付けてたらちょっとは勇気出て緊張ほぐれるかな、って、』
「ふは、そういうこと？(笑)」
『わ、笑わへんって言った！！』
「すまんすまん、俺すぐそばにおんのになあと思って(笑)」
『でもステージ立つ時は1人やんか……。誠也くん呼び付けるわけにもいかへんし、』
「呼んでくれたらすぐいくで？」
『呼んだ瞬間大炎上する』
「Aとやったら大歓迎やわ」
『冗談でもそういうこと言うのやめて』
割と冗談でも無いんやけど。
まあお互い今が"時期"じゃないってのはわかってるから、その時まで大人しく待つしか無いんやけど。
『ていうか、キスシーンなら誠也くんだってやってるやん』
「……言うようになったやん」
『あたしだけ怒られるの理不尽』
「こないだそれで泣いてたん誰やねん」
『あ、れは、お酒入ってたから、』
「あの時のAはあんなにかわいかったのに」
『いいの！最後はあたしのとこ戻ってきてくれるってわかったからそれで満足なの！』
「それ言い方悪ない？戻る言うか俺お前以外どこもいってないんやけど」
『あ、う、え、』
「どこで照れとんねん(笑)」
今の絶対照れるポイントちゃうやろ。
こんだけ長いこと付き合ってんのに未だにちょっとしたことで照れて真っ赤な顔して俺の事見つめてくるこの子がかわいくて愛しくて、絶対一生離したらへんって改めて思った。
「俺が普段どんな気持ちでお前のドラマとか映画観てるかわかった？」
『でもだからってそのたんびに噛み痕付けられるのは話がちがうと思う』
「俺なりの愛情表現やん」
『もっと優しい愛がほしい』
「ちゃんと見えへんとこに付けてんねんから十分優しいやろ」
『むぅ、そういう問題じゃないもん』
膨らむほっぺたをつんとつついて、そのまま指で撫でると恥ずかしいのか下がっていく視線。かわいい。ほんまにかわいい。なんでこんなかわいいんやろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 556人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てと(プロフ) - トマトさん» コメントありがとうございます♪なるべくせ〜やくんが話す神戸弁に近づけるように書いているのでそう言って頂けてとっても嬉しいです！これからものんびり書いていくので引き続きよろしくお願いいたします！ (12月29日 16時) (
レス) id: 6fedb51eb5 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼致します。てとさんが書く誠也くんがめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら毎回読ませて頂いてます！！これからも楽しみにお待ちしてます！ (12月29日 8時) (レス) @page47 id: dd8df9e075 (このIDを非表示/違反報告)
てと(プロフ) - さくらさん» わわ！ありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです！のんびりマイペース更新にはなりますが、これからもお暇な時に見に来て頂けると幸いです。がんばります！！ (9月26日 21時) (レス) id: c8253d70a7 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一昨日ぐらいにこの作品を見つけてから、もう3周はしてます！更新待ってます！頑張って下さい！！ (9月13日 1時) (レス) @page22 id: ca3bb76466 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てと | 作成日時：2023年8月14日 2時
