188. ページ40
.
とうとう堪えきれんくなった涙がAの頬を伝った。それを親指で拭ってやれば、ようやく合った目と目。真っ赤に染まったその瞳は、不安で揺らいでいた。
「俺はAしか好きちゃうし、これから先もA以外の子好きになる気なんか全くないんやけど。Aはそうじゃないん？」
『あたしも、誠也くんしか好きじゃない』
「やったらそれでいいやん。それでもAが不安になるんやったら、その不安かき消すぐらいに愛したるから。だからこれから先もずーっと自信持って俺の隣おってや」
『あたしでいいの……？』
「Aでいいんじゃなくて、A"が"ええんやけど」
『せぇやくんっっ……』
「ん？どしたん？言いたいことあるんやったら我慢せんとちゃんと言って？」
『すき、だいすき、せぇやくんだいすき、』
「ん、俺もAのこと大好きやで」
『だいすきだけ……？』
「っっ、」
『、え？、え？』
涙で真っ赤に染まった瞳で首をこてんと傾げるAに、我慢してた全部がぷつんと切れた音がした。そんなん、かわいすぎるやろ。こいつ絶対俺がその顔に弱いのわかっててやってる。
未だ涙を零すAを抱き上げて寝室へと向かう。ベッドにそっと降ろして至る所にキスを落とすと、くすぐったそうに体を捩るAに沸き上がるのは、愛しいの感情。
『せぇやくん、だめ、明日もお仕事、』
「明日朝遅いから大丈夫」
『ゃ、でも、』
「ここまで来てお預けとか無理やって。待っとって。すぐ風呂入ってくるから」
最後に唇に触れるだけのキスを落として、ベッドを離れようとしたら遠慮がちに掴まれる右腕。そんなかわいいことしてくんのは、今この場に1人しかおらん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 556人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てと(プロフ) - トマトさん» コメントありがとうございます♪なるべくせ〜やくんが話す神戸弁に近づけるように書いているのでそう言って頂けてとっても嬉しいです！これからものんびり書いていくので引き続きよろしくお願いいたします！ (12月29日 16時) (
レス) id: 6fedb51eb5 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼致します。てとさんが書く誠也くんがめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら毎回読ませて頂いてます！！これからも楽しみにお待ちしてます！ (12月29日 8時) (レス) @page47 id: dd8df9e075 (このIDを非表示/違反報告)
てと(プロフ) - さくらさん» わわ！ありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです！のんびりマイペース更新にはなりますが、これからもお暇な時に見に来て頂けると幸いです。がんばります！！ (9月26日 21時) (レス) id: c8253d70a7 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一昨日ぐらいにこの作品を見つけてから、もう3周はしてます！更新待ってます！頑張って下さい！！ (9月13日 1時) (レス) @page22 id: ca3bb76466 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てと | 作成日時：2023年8月14日 2時
