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「ん、帰ろか。3人に言うことは？」
『おじゃましました？』
「それもそやけどちゃうやろ」
『ありがとうございました？』
「それもちゃうなあ」
「Aちゃん気をつけて帰ってください」
「運転すんの俺やけどな」
「あんま飲みすぎんなよー」
「誠也くん」
玄関で靴履いて、フラフラのAにもブーツ履かして、ドアノブに手を掛けたところで大吾に呼び止められた。
「なに？」
「帰ってからでいいんでAの話、聞いたってください。多分ですけどその子、いろんなこと我慢してるんで」
「……お前に言われんでも分かっとうわ。ほなな」
大吾のアドバイスを素直に受け止められへんかったのは、元彼うんぬんとかより、どう頑張っても埋められへん付き合いの長さがあるから。
俺の方がAのこと分かってるつもりでも、まだまだ勝たれへんところはいっぱいあって、そんな大吾に腹立つし、未だに大吾に嫉妬する自分にも腹立つ。
廉の家出てコインパーキング向かうまでも、車乗ってから家着くまでも、会話は無くてずっと無言。
寝てんのかと思って何回か隣を見てみたけど、目線こそ合わへんもののしっかり起きてるぽくて。そのくせパーカーはずっと掴まれたまんまやからどうしたいんかさっぱりわからへん。
ようやく帰宅して洗面所に直行したAをそっと後ろから抱きしめた。
「なんで廉の家行ったん」
『みっちーおるよっていわれたから。あとだいちゃん』
抱きしめたAから香るのは、Aの匂いと混じって廉の匂い。その奥に僅かにある酒と、俺のじゃない煙草の匂い。
瞬間、この状況全部に腹が立った。
2人っきりじゃ無かったとはいえ廉の家行ったんも、そこに大吾がおったんも、みっちーとじゃないと帰らへんって言ったんも、廉の服着てたんも、廉の匂いも酒も知らん煙草も。
でも今ここで俺が一方的な嫉妬でキレたらきっと喧嘩になるから。それだけは絶対避けたいから。男として、歳上として、冷静にならな。
「疲れたやろ。風呂入っといで」
『ん、』
だいぶ酔いも冷めてきて冷静さを取り戻してきたAやけど、それでも依然として俯いてパーカーの裾を掴んだまま。
「ん？どしたん？」
『……せえやくんどこもいかんとってな、』
「行かんよ？こんな時間からどこも行かれへんやん(笑)」
『んん、そうじゃなくて、』
「風呂出てきたら話聞いたるから。な？」
『はい、』
「ん、ええ子」
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てと(プロフ) - トマトさん» コメントありがとうございます♪なるべくせ〜やくんが話す神戸弁に近づけるように書いているのでそう言って頂けてとっても嬉しいです！これからものんびり書いていくので引き続きよろしくお願いいたします！ (12月29日 16時) (
レス) id: 6fedb51eb5 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼致します。てとさんが書く誠也くんがめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら毎回読ませて頂いてます！！これからも楽しみにお待ちしてます！ (12月29日 8時) (レス) @page47 id: dd8df9e075 (このIDを非表示/違反報告)
てと(プロフ) - さくらさん» わわ！ありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです！のんびりマイペース更新にはなりますが、これからもお暇な時に見に来て頂けると幸いです。がんばります！！ (9月26日 21時) (レス) id: c8253d70a7 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一昨日ぐらいにこの作品を見つけてから、もう3周はしてます！更新待ってます！頑張って下さい！！ (9月13日 1時) (レス) @page22 id: ca3bb76466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2023年8月14日 2時
