173. ページ25
.
「ただいま。いい子にしとった？」
『ふふ、せやくんせやくん』
なにこのかわいい生き物。これほんまに俺の彼女？かわいすぎん？
ねむそうなとろけた顔で嬉しそうに俺の首に腕を回してくるAがかわいくて、応えるように俺も腰に腕を回した。髪を撫でてやると更に柔らかくなる表情がたまらなく愛しい。あー、もう、なに。ほんまにかわいいなこいつ。
『せやくん、ちゅー』
……これはもういいやんな？Aから誘ってきたんやし寝込み襲ったことにならんよな？ていうかサメ邪魔やな。
寝ぼけた表情で隣にいたAをベッドに組み敷いて、お望み通りキスを落とす。抱いたまんまやったサメは邪魔やからベッドの下に投げ捨てた。
息を求めて口を開けたところで舌を滑り込ませると、苦しくなったんか思いっきり肩を押される。
『……え？せーやくん？』
「なんやねん」
『ほんもの？』
「じゃなかったらおまえ今誰とキスしてたん」
『ゆめかとおもってた……』
状況が飲み込めてないらしく、目をぱちくりとさせて頭をフル回転させるAの間抜け面がかわいくて、もう一度触れるだけのキスを落とす。
『んっ、、ちょ、まって、、なんで？』
「ん？」
『なんでおるん？』
「今日帰る言うたやん」
『言ったけど。おうち帰るんかと思ってた』
「Aが寂しがっとるかなーと思って。まあ案の定寂しかったみたいやし来て正解やったわ」
Aの着てるTシャツと床に転がるサメに目線を送ると、自分とサメの格好を思い出したんか、途端に真っ赤に染まるAの白いほっぺた。
布団を被って隠れようにも、俺が上に乗ってるからそれも叶わず。
『ち、ちがくて、誠也くんのTシャツがたまたまそこにあったから着ただけで、べ、べつに深い意味とかは、』
「ふーん？ほんならあのサメはなんなん？」
『あ、え、あれは、』
「素直に言うてみ？ん？」
『ひゃっ、！』
素直になられへんAがかわいくて、Tシャツの裾から手を忍ばせるとかわいい声出してくれるもんやから思わず顔も緩む。
『ちょ、こら、！手つっこむんじゃありません！』
「素直に言うたら退けたってもええけど？」
『……ほんまに？』
「ほんまほんま」
疑いの中にも少し安心した表情で俺を見上げるAが純粋すぎて心配になる。大丈夫かな、変な壺とか買わされへんかな、こいつ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 556人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てと(プロフ) - トマトさん» コメントありがとうございます♪なるべくせ〜やくんが話す神戸弁に近づけるように書いているのでそう言って頂けてとっても嬉しいです！これからものんびり書いていくので引き続きよろしくお願いいたします！ (12月29日 16時) (
レス) id: 6fedb51eb5 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼致します。てとさんが書く誠也くんがめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら毎回読ませて頂いてます！！これからも楽しみにお待ちしてます！ (12月29日 8時) (レス) @page47 id: dd8df9e075 (このIDを非表示/違反報告)
てと(プロフ) - さくらさん» わわ！ありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです！のんびりマイペース更新にはなりますが、これからもお暇な時に見に来て頂けると幸いです。がんばります！！ (9月26日 21時) (レス) id: c8253d70a7 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一昨日ぐらいにこの作品を見つけてから、もう3周はしてます！更新待ってます！頑張って下さい！！ (9月13日 1時) (レス) @page22 id: ca3bb76466 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てと | 作成日時：2023年8月14日 2時
