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そう言って家とは違う方向にハンドルを切った誠也くんが向かった先は、都心から少し離れた人気のない海岸。
『誠也くんほんま海好きねぇ』
「波の音とか聞いてたら落ち着くやん」
『わからんでもない』
「ちょ、なにしとん」
『ん〜？せっかく海来たし夏を堪能しようと思って』
徐に靴を脱ぎ出したあたしを見て慌てる誠也くんは気にせずに、裸足になった足元で波打ち際へと駆け寄る。
『やっぱ夜はちょっと冷たいかも』
「当たり前やろ。もうすぐ大事な仕事あるんやから風邪ひかん内に出てこい」
『足だけやからだいじょぶ』
「お前絶対調子乗って怪我とかするって」
『誠也くんの中のあたしどんだけおてんばなん』
「つうかおっちょこちょいやろ」
『誠也くんも入る？』
「入らへん。ほら出てこいって」
『おわっ、！』
呆れた顔した誠也くんに連れ戻されたかと思えば、そのまま腕の中へと閉じ込められた。なにをするでもなく抱きしめられて、ただただ無言の時間が続く。聞こえてくるのは波の音と、お互いの心臓の音だけ。
『せやくん？』
「ん？」
『どした？』
「どうもせん」
『ここお外やで？』
「だからなんやねん」
『いいの？』
「誰もいてへんし大丈夫やろ」
『えー、そうかなー』
「俺が大丈夫言うたら大丈夫やねんて」
『しょうがない。お誕生日やし特別に許してあげるかぁ』
「なんやそれ(笑)」
背中に回された腕の強さに応えるように、あたしも誠也くんの背中に腕を回した。
『誠也くんは頑張ってるよ。大丈夫。あたしが保証する』
「なんやねん急に」
『あれ？不安になったとかかと思ったんやけど。違った？』
「Aやないんやから」
『なんかディスられた？』
「ちょっと充電したいなって思っただけ」
『そっかぁ、今週忙しそうやったもんね。おつかれさま』
「まあまだ明日もあるし週末にでっかいの残ってるけどな」
『そやねぇ、がんばらないと』
「Aは今週割と落ちついてそうやな」
『んー、今週はね。なんかあったらあかんからってお仕事抑えめにしてくれてるみたい』
「無理したあかんで。あとちゃんと食べれるときに食べて寝れるときに寝ること」
『……努力はします』
「なにわにはなんかあったらすぐ連絡しろ言うてるから」
『ねえほんまこわいんやけど』
やってる手口が淳太くんと一緒なんよな。もしかして淳太くんになんかいらんこと吹き込まれたりしてる？
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てと(プロフ) - トマトさん» コメントありがとうございます♪なるべくせ〜やくんが話す神戸弁に近づけるように書いているのでそう言って頂けてとっても嬉しいです！これからものんびり書いていくので引き続きよろしくお願いいたします！ (12月29日 16時) (
レス) id: 6fedb51eb5 (このIDを非表示/違反報告)
トマト(プロフ) - コメント失礼致します。てとさんが書く誠也くんがめちゃくちゃ好きでニヤニヤしながら毎回読ませて頂いてます！！これからも楽しみにお待ちしてます！ (12月29日 8時) (レス) @page47 id: dd8df9e075 (このIDを非表示/違反報告)
てと(プロフ) - さくらさん» わわ！ありがとうございます！そう言って頂けてとっても嬉しいです！のんびりマイペース更新にはなりますが、これからもお暇な時に見に来て頂けると幸いです。がんばります！！ (9月26日 21時) (レス) id: c8253d70a7 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 一昨日ぐらいにこの作品を見つけてから、もう3周はしてます！更新待ってます！頑張って下さい！！ (9月13日 1時) (レス) @page22 id: ca3bb76466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2023年8月14日 2時
