アルストロメリア3 (ページ6)

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『んーー、つかれたっ』

「いつからやっとったん」

固まった背中をほぐすためにひとつ伸びをすると、コントローラーを離したのをいいことに、誠也くんに体を持ち上げられ、ぐるんと向きを変えられて見つめ合う状態になった。

『お昼すぎぐらいから？』

「……Aまた痩せた？」

『うそやん。年末年始ずっと食べてたで？』

「なんか実家帰る前より軽なってる気ぃする」

『2～3日でそんな変わらんよ(笑)』

「ほな今から確かめる？」

パーカーの裾に手を掛けてニヤッと笑う誠也くんの右手をパシッと叩いた。

『しません』

「え〜、せえへんの？」

『んー、だって、』

「なにぃ」

『せぇやくんやっと帰ってきたのに、もうちょっとゆっくりしたい、』

誠也くんの顔見るのが恥ずかしくて、ぽすんと誠也くんの胸に顔を埋める。誠也くんの心臓の音が速くなっていくのがわかって、その原因があたしなんやと思うと嬉しくなる。

「ん、たまにはゆっくりしよか」

少し短くなったあたしの髪を指に絡ませたり梳かしてみたりして遊ぶ誠也くんの指先が妙に心地よくて眠気が襲ってくる。
でも今寝ちゃうのはもったいないから。もうちょっとがんばれ、あたし。

『誠也くんは？なにしてた？』

「んー？初詣行って、senaと遊んで、後輩たちのライブ行って、かなあ？」

『いいなー、あたしもせなさまとあそびたい』

「あ、おかんがAちゃん次いつ来るん言うてた」

『んふふ、あたしもそろそろママに会いたーい！』

「Aちゃんええ子やからはようちの子にして言われたわ(笑)」

『すえざわさんちの子になるのはちょっとあたしにはハードル高すぎるなぁ。あたしそこまでお育ちよくないしなぁ』

「お前意味わかってる？はよ嫁にせえってことやで？(笑)」

『あ、そ、そっち、そっちか、そりゃそうか、……そりゃそうか？』

突然のプロポーズ紛いな発言に、自分でも顔が熱くなるのがわかった。なんか最近の誠也くん、こういうの多いな。
恥ずかしさを隠すように誠也くんの胸に埋めた顔をぐりぐりすると、くすぐったいのか体を逃がす誠也くんに、少し高まるあたしの中の加虐心。