138.誘惑のスイートタイム ページ40
.
夕方前にはお仕事終わって春服見たいな〜〜ってぷらぷらお買い物してからおうちに帰ったら、玄関にあったのは見慣れたスニーカー。
『あれ？』
今日こっち来るなんて聞いてないし、ましてやうち来るなんか言ってなかったし。
不思議に思いながらもリビングの扉を開けると、ソファに座ってるのはやっぱり誠也くんで。
『なんで？』
「お、おかえり。、ってなにその大量の荷物」
『あ、え、？春服買いたくてぷらぷらしてたら買いすぎちゃった、』
「言うてくれたら迎え行ったのに。あ、来るの言うてへんかったから無理か」
『え、ほんまになんでおるん、』
「せっかく会いに来たのにひどいやん(笑)」
ケタケタ笑いながらそう言う誠也くんと、誠也くんがいることに驚きすぎて未だリビングの入口で放心状態のあたし。
「いつまで固まっとん(笑)」
『ゆめ……？』
「夢ちゃうわ(笑)」
『なん、え、？』
「沖縄土産持ってきた」
『え！やったあ！紅芋タルト！ソーキそば！』
「あとそろそろAが寂しがっとう頃やろなぁと思って」
『べ、べつにさみしくなんか、』
「会えて嬉しいって顔に書いとんで」
『書いてないもん！』
「はいはい。手洗っといでや」
『言われんくても行くもん！』
ほんまは寂しかったくせに素直になれんくて強い言い方しちゃった。せっかく来てくれたのに意地張っちゃうとこ、ほんまにあかんなあ。絶対いつか愛想尽かされる。
『、せやくん、ごめん、』
洗面所から戻っていの一番に、キッチンでコーヒー入れてる誠也くんの背中にギュッと抱きつく。
「ん？」
『ほんまはさみしかった、です、』
「せやろな」
『会いに来てくれてうれしい、です、』
「ん、俺も会えて嬉しいで」
クルッと向きを変えて、抱きしめ返してくれる誠也くんの胸にぐりぐりと顔を押し付けると、そっと頭を撫でてくれた。あたしが素直になると、誠也くんも素直に愛を返してくれるから、それが嬉しくもあり恥ずかしくもあり。
「なに買ったん？見せてや」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 663人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てと | 作成日時：2023年1月29日 17時
