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「ちゃうねん。そんなことで電話したんちゃう」
『セルフツッコミ？』
「うるさい」
『ふふ、ぴんく似合ってたよ』
「おん、」
『お、照れてる』
「照れてへん！」
そんなこと言って、どうせ今頃電話の向こうで鼻の頭ぽりぽりしてんねんやろうなあ。こういうときの誠也くんってわかりやすくてほんまにかわいい。
『ふふ、誠也くんがぴんくにするとねえ、春が来たなあって感じする』
「俺、風物詩かなんかなん？」
『へへ、そうかも』
「そうかもちゃうわ(笑)」
『誠也くんのぴんく、好きやで』
「好きなん金髪ちゃうの」
『んー、金髪の次にぴんくが好き！』
「ふーん？黒は？」
『あー、黒も捨てがたい』
「なんでもええんやん(笑)」
『そんなことないもん』
誠也くんやから何色にしても好きなんであって、他の人やったらそんなこと思えへんもん。なんて恥ずかしくて誠也くんには言われへんけど。
「あ、週末そっち行くから」
『え！ほんまに！』
「こんな嘘つかんやろ(笑)」
『ぴんく見れる？』
「どうやろな〜？」
『え、変える……？』
「めっちゃ落ち込むやん(笑)」
『ぴんく……』
「変えへん変えへん(笑)」
ピンクの誠也くんが見れるのが嬉しいのはほんま。でも、もっと嬉しいのは久しぶりに誠也くんに会えるから。
ほんまはそんなに久しぶりでもないけど。なんとなく久しぶりな感じ。ご飯なに作ろうかな。いっぱい一緒にいれるかな。
「なんかさぁ、」
『ん？』
「いや、なんか、言うてこないだ会ったばっかやのに、めちゃくちゃ久しぶりに会う感じするなあって」
『ふふ、うん、せやね(笑)』
「なんで笑うん」
『へへ、あたしもおんなじこと思ってた』
「さすがやん」
『ねえ、誠也くん？』
「ん？」
『あのね、ぴんくも金髪も黒髪も好きやけどね、誠也くんやったらなにしても好きやからね。どんな誠也くんでも大好きやからね』
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作者名：てと | 作成日時：2023年1月29日 17時
