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『じょーくーん！きょへちがおもたーい！』
「じょーくーん！Aがいじわるするー！」
「お前ら毎回毎回ようやるなぁ。どっちもどっちやって」
あたしときょへちの言い合いに丈くんが呆れてため息ついてるところをりゅちぇが写真撮って笑い転げる、までがいつもの1セット。
やねんけど、今回はどうやらそれで終わらんらしく、丈くんとおしゃべりしてたはずのすえざわくんがこっちに向かってずんずんと歩いてくる。
『す、すえざわくん？』
「恭平お前いい加減にしとけよ」
心做しか、ちょっぴり怒ったような顔してこっちに歩いてきたすえざわくんは、腰に回されていたきょへちの腕を振りほどくと、突然のことに戸惑ってるあたしを自分の後ろへと隠した。
『ちょ、すえざわくん、そこまでせんくても、』
「あかんて。いくら仲良くてもこういうんはちゃんとしとかな」
『や、でもこれいつものことやし、あたしも本気で怒ってるわけじゃないし、』
「あかん」
あたしの目をしっかり見据えてそう言ったすえざわくんからなぜか目が離せなくなった。
「あー、恭平、お前そろそろホテル帰る用意せな置いてくぞ」
「え！みんなもう準備できてるん！？待ってや！」
「あ、A。お前今日末澤に送ってもらいや」
『ぇ、ゃ、』
「えー！Aは俺が送ろうと思っててんけど！」
「お前は明日もあるやろが。こいつ今日車で来てるから、な？」
『あたし電車で帰るつもりやってんけど、』
「ほんなら尚更ちょうどいいやん。もう夜遅いのに危ないやろ。お前も一応女の子なんやから」
『一応はめちゃくちゃ余計なんやけど』
「Aちゃん、送らせてや」
あかん？って首こてんて傾げて聞いてくるすえざわくんは、きっとあたしが断られへんてわかってて聞いてきてる。
『ぁ、えっと、じゃあ、……おねがいします、』
「ん、ほな行こっか」
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作者名：てと | 作成日時：2022年11月21日 23時
