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「あー、まず末澤が聞きたいんはあれやろ？俺らとAがなんで知り合いかーってことやろ？」
「あ、そっ、すね」
「せやなぁ。大倉とAが親戚言うんは知ってる？」
「あ、まあ、はい、なんとなく、」
Aちゃんのこと知りたくて色々調べまくってたら出てきた大倉くんとの関係。最初はえらいとこいってもうたなぁって思ったけど、好きなもんは好きやし、それとこれとは関係ないし。
「まあつまりそういうことやわな」
『きみくん、多分やけどなんも伝わってないで』
「うっさい。こういうん苦手やねん俺」
『うん、知ってる』
「お前が説明せえや」
『いやや。きみくんしてや』
なんとなく、横山くんの言いたいことは理解した。それでも疑問に残るのは、普段では滅多に聞くことはない、でも確実に誰を指してるのかわかるその呼び名。
「きみくん？」
『あ、えーっと、本名？きみたかやからきみくん、て昔から呼んでて。お仕事の時とかはゆうくんて呼ぶように気をつけてるんですけど、』
「たまに間違って呼んでるけどな」
『もー！丈くんは黙ってて！ステイ！』
「ステイて！俺犬ちゃうぞ！」
「丈とも知り合いなん？」
『丈くんとはなんていうか、子どもの時からよく遊んでて、簡単に言えば幼なじみ？みたいな、』
「遊んでる思てたんAだけやけどな。こっちはまじめに仕事してんのに」
『なんでぇや。それ以外でも遊園地行ったりとか旅行行ったりとかして一緒に遊んでたやんか』
「あ、お前あれやぞ。遊んでた言うても小学生とかの時の話やからな。親同士も交えた家族ぐるみの付き合いやからな」
よっぽど誤解されたくないんか、必死に否定する丈の顔はいつもと違って真剣そのもの。丈が嘘ついてるとは思われへんし、ふざけてるわけでもない辺りほんまになんもないんやろなぁとは思うけど、まあ腹立つもんは腹立つわな。なんやねん、幼なじみって。家族ぐるみって。そんなんズルすぎるやん。
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作者名：てと | 作成日時：2022年11月21日 23時
