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『うーわ、最悪や』
「なんで一言目それやねん」
『なんで丈くんおるん』
「Aこそなんでおんねん」
「おお、Aやん」
聞き覚えのある声の正体はやっぱり丈くんときみくんで。ほんまなんでおるん。タイミング悪すぎ。
『2人でなにしてんの』
「丈と予定合ったから飯行こかーって」
『ていうか丈くんこっち来てたんや』
「おう。昨日な」
『まあどうでもいいけど』
「横山くん！こいつなんなんですかほんま！」
『あたしもう戻るから。じゃあね』
「まあ待てや。こんなええ店、1人のわけないやんな？ん？」
『丈くん酔ってる？』
「酔うわけないやろ。酒飲まれへんねんぞ」
『あ、そうやった』
悪い顔して肩組んできた丈くんはどっからどう見ても酔っ払いのそれやけど、この人お酒弱いんやった。シラフでこのテンションなん、こわ。
「誰と一緒やねん」
『……丈くんに関係ないやん』
「残念ながら関係あんねんなあ。Aになんかあったら保護者に伝えなあかんことになってるから」
『保護者？……あ、淳太くんか』
「横山くんも気になりますよね？ね？」
「俺の事巻き込まんといてくれ……」
「ほら、気になるって」
『言うてへんし。なんならきみくん困ってるし』
「丈もう帰るぞ」
『きみくん帰るって』
「あきませんて！Aになんかあったら大倉くんに怒られますよ！」
「なんで俺が怒られんねん」
「え！？は！？横山くん！？丈！？」
『あ、』
「え！？末澤！？」
いつまでもこんなとこで迷惑なるやん、なんて思ってたら向こうの方から見えた人影。はよどかやな絶対邪魔やって思ったのに、近づいてきた人影の正体はすえざわくんで。
言い合いをするあたしら3人を見て、すえざわくんの大きな目がぱちぱちと何回も瞬きを繰り返した。
『ほんでどんな状況よ、これ』
そのあと、廊下で4人喋り続けるわけにもいかず、何故か全員まとめてあたしたちがいた個室へと腰を下ろす。
目の前には質問したそうにうずうずしてる丈くんと、居心地悪そうにしてるきみくん。そしてあたしの隣にはすえざわくん。ほんまなにこれ。
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作者名：てと | 作成日時：2022年11月21日 23時
