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『な、なんか、へんですか、』
「いや？かわいいよ？」
『かっ……！』
「うん、めちゃくちゃかわいい。ここ来るまでにいろんなやつがAちゃんのこと見たんかな〜って思ったらちょっと腹立つぐらいにはかわいい」
『……からかってるでしょ？』
「なんでぇや、俺本気やで？(笑)」
『わ、わらってる…！絶対うそや…！』
「本気やのになぁ(笑)」
ケラケラ笑ってるすえざわくんにやっぱりどうもからかわれてる気がして、視線をテーブルに落とすと、飲み物しかないことにようやく気づいた。
『あ、れ、もしかしてなんにも頼んでないです？』
「ん？うん、Aちゃん待っとこう思て」
『わ！ごめんなさい！おなかすいたでしょ！はよ頼みましょ！何がいいですか？唐揚げ？だし巻き？このお店なに頼んでもおいしいから大丈夫ですよ！』
「そういえばAちゃんここよく来るん？」
『あ、いや、1回だけ。知り合いに連れてきてもらって』
「へー。その知り合いって男？」
『え？んー、まあ、そうですね、男の人です』
「ふーん」
『すえざわくん？』
「ううん、なんでもない。Aちゃんのおすすめは？」
その後、一通りお料理頼んで、お酒も少しだけ飲んだ。ほんまに少しだけ。いつもみたいに飲んで引かれんのいややし、なんてかわいこぶってみたりして。
『そういえばすえざわくんお酒飲まないんです？』
「あー、うん、俺は大丈夫。Aちゃんは？俺のこと気にせんと飲みや？」
『あ、お構いなく』
「なんそれ(笑)」
お酒飲みすぎる女の子ってあんまかわいくないしなぁ、って。飲みすぎて潰れることは絶対ないけどこれ以上迷惑掛けたくはないし、やっぱり印象は良く思われてたいし、うん。
「Aちゃん？」
『あ、いや、ちょっとお手洗い行ってきますね』
「1人で行ける？」
『子供やと思ってるでしょ？』
「なんでぇや、ほんまに心配しとうだけやで？(笑)」
『えぇ、ほんまにぃ？、』
「ふは、気ぃつけてな」
『はーい』
お手洗いから帰る途中、目の前を通った個室からどことなく聞き覚えのある声が聞こえてきた気がした。……いや、まさかな、そんなはずないやんな。
なんて思ってたのに、開かれたその個室から出てきたのは、
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作者名：てと | 作成日時：2022年11月21日 23時
