14. ページ14
.
あれ以来、なんやかんや2〜3日に1回ぐらいのペースですえざわくんとやり取りしてた。日程決めたりとか、お店決めたりとか、あとは日常会話したりとか。ていうかほとんど日常会話やったけど。
どうやらすえざわくんはあんまり連絡はマメじゃないタイプらしい。あたしもすぐ返信溜めちゃうから正直それぐらいが助かる。
あの日、すえざわくんとの電話を切ったあと、一緒に夜ふかししてた望に、すえざわくんてどんな人？って聞いてみた。そしたら返ってきたのは「いいやつ」「真面目」「おもろい」「とにかくいいやつ」とどうもざっくりとした印象ばっか。
『そうじゃなくてさー、』
「なに？何が聞きたいん、Aは」
『なんかこうもっとさー、あるやん。趣味とか、好きなものとか、こういう話は地雷とかさー、』
「知らん」
『即答すなよ』
「別にいつも通りのAでいいんちゃうの？なにをそんな身構えてるん」
『だ、って、良く思われたいやん、やっぱり、』
「Aまさかお前、」
『ちゃう！！ちゃうよ！？初対面で迷惑掛けちゃったからちょっと印象取り戻したいなっていうか、これ以上マイナスになるのもなっていうか、』
「お前一度でも俺にそう思ったことある？」
『望に？あるわけないやん。ていうか今更、望にどう思われても別にどうでもいいし』
「お前のそういうとこほんまきらいやわ」
『望を頼りにしたあたしがアホやった』
「おい、どういう意味やねん」
『あー、ほんま、何話せばいいん、』
ほんまに。これ以上マイナスのイメージになってほしくないだけやねん。それだけ。、のはず。
結局、お店は前にきみくんが連れてってくれたとこにした。お店の雰囲気よかったし、お料理もおいしかったし、なにより個室あるし。
「店の人、口堅いから安心やねん」ってきみくんが言ってた気がする。そういうの大事。
いよいよ迫った約束の日、当日。
早く終わるはずやった撮影は、機材トラブルが起こって予定よりも1時間ほど遅くなってしまった。
遅れそうなことをすえざわくんに伝えると、「先店入っとくからいいよ」と優しい言葉が返ってきた。
印象取り戻したかったのに早速あかんやん。
『遅くなってごめんなさい！』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 808人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てと | 作成日時：2022年11月21日 23時
