世界は恋に落ちている (ページ13)

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『あ、えっと、じゃあまた日にちとか、送っといてください……、スケジュール確認しとくんで、』

「わかった。俺、東京の店とかよぉわからんから店はAちゃんに任せてもいい？」

『……あたしこそオシャレなお店とか知らないけどいいですか？』

「ふは、別にええよ、そんなん(笑)」

『だってすえざわくんこだわりありそう……』

「なんそれ(笑)なんならいつも行ってる店とかで全然ええし(笑)」

『むぅ、じゃあ何個か候補出すんでその中からすえざわくん決めてくださいね？』

「ん、わかった。ほんならまた送っといて？」

電話の向こうでもごもごと言い淀むAちゃんの更に奥から、Aちゃんの名前を呼ぶ照史くんらしき声が聞こえた。

「照史くん？」

『あ、はい。晩ご飯できたみたい』

「照史くんが晩飯作ってんの？ほんまにおとんみたいやん(笑)」

『だから言ったじゃないですか。照史くんはパパなんです』

「ほなAちゃんがお父さんに怒られたらあかんしもう切るな？」

『……すえざわくん、子供扱いしてません？2つしか変わらないんですけど？』

「してへんて(笑)」

『ほんまです？』

「ほんまやって。ほら、はよ行かなご飯冷めるで」

『えっと、ほんまに今日はありがとうございました。……、すえざわくんが隣にいてくれて嬉しかったです』

「な、……そんなんずるいわ、」

『え？』

好きって自覚した途端そんな爆弾落としてくるのずるすぎひん？なんなんこの子？天然やんな？怖すぎるやろ。
ぼそっと呟いた俺のずるいの一言は、幸か不幸か、Aちゃんの耳には届いてないみたいやった。

「あー、いや、なんもない。ほんじゃまた連絡するな」

『あたしもお店探しときますね。えっと、おやすみなさい』

「ん、おやすみ、」

名残惜しくも切れた電話を眺めすぎて、通話画面はとっくに真っ暗な液晶へと切り替わっていた。

自覚したばっかの恋、大事にしたい気持ちはあるけど、ほんまに呑気にはしてられへんと思うから、最短距離で振り向いてもらおうと決意した。