56. ページ7
.
「どうなん？最近」
『ん〜？なにが？』
「こないだ喧嘩したって聞いたで？」
『……は？』
「淳太から連絡来てた」
『え、』
「定期的に何があったか連絡くれるんよ。マメよなあ、あいつ」
淳太くんどこまで手回してんの？定期的にってことは今までも淳太くんに相談した色んなこと筒抜けやったってこと？
『淳太くんまじで許さん』
「ほんで？どうなん？」
『別にどうもせんよ。ちゃんと仲直りもしたし、その後も仲良くやってますよ』
「あ、そうなん？なんや、末澤のことしばこうかと思ってたのに」
『やめて？絶対やめて？』
「ははは、うそやん(笑)」
『ていうか、今回のはあたしが悪いんよ。あたしのわがままっていうかいじっぱりっていうか、とにかくあたしの悪いとこ全部出ちゃって誠也くん怒らせちゃったから』
「おん、それも淳太から聞いた」
『ほんまどこまで筒抜けなん……』
「Aが幸せならそれでええねん。Aの幸せがたぁくんの幸せやから」
『なにそのクサイ台詞(笑)』
「ほんまやで？Aは大事な妹やもん」
思えば昔からそうやった。実家が近かったから、お母さんに怒られた時も、兄弟たちと喧嘩した時も、いつも駆け込むのは大倉家やったし、なんかあればすぐたぁしに相談しに行ってた。たぁしが東京行ってからもそれは変わらんくて、なんかあるたんびにメールとか電話とかしてたし、大阪帰ってきたって聞いたらすぐに会いに行ってた。
いつだって一番の相談相手はたぁしでほんまのお兄ちゃんよりもお兄ちゃんしてくれてて。大人になってからはすっかりそれもなくなってしまったけど。
『たぁし、いつもありがとう』
「んー？ええんよ。俺が好きでやってるんやから」
『えへへ』
「ほら、俺の方は出来たで。Aは？」
『うん！あたしも出来た！』
「ほんならご飯にしよっか」
久しぶりにたぁしと囲む食卓は、子供の頃に戻ったみたいでワクワクするし純粋な気持ちを取り戻させてくれる。人一倍いい顔して食べてくれるから、それがまた嬉しかったりもするし。
バラバラのテイストの料理たちやけど、それもあたしららしくていいかな。
『「いただきます！」』
懐かしい話とか最近あったこととか、お酒もちょこっと交えながら2人で笑いあってお腹も心も満たされた後、たぁしはその日の内に帰って行った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 737人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てと(プロフ) - 大変失礼致しました。設定変更させて頂きました。ご指摘下さった方々ありがとうございました。 (2022年10月22日 14時) (
レス) id: c558a54b1b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雲 - オ.リ.フ.ラ立ってます、、！外さないと違反になってしまいますよ〜^^; (2022年10月22日 12時) (レス) id: 375c64130e (このIDを非表示/違反報告)
オシヒカリ(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ… (2022年10月22日 10時) (レス) id: dcc6542c5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てと | 作成日時：2022年10月22日 2時
