58.触れたところから、拡がる ページ9
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ホラーゲームやホラー映画は嫌いじゃない。むしろ大好き。高いところも全然平気やし、虫だって、まあ、あの黒いやつ以外ならなんとか。決して好きではないけど。
そんなあたしがこの世で最も苦手で嫌いなもの、それは、
ﾋﾟｶｯｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｯ
『っ、！』
雷だけは子供の頃からほんまに苦手。
外の景色が光に包まれる感じとか、ありえへんぐらいの耳障りなでっかい音とか。なんか、このまま世界が消滅してしまうんじゃないかと思うぐらいの非日常的な景色が、ものすごく寂しくて怖くなってしまう。
こんな日に限ってお仕事は夕方には終わってて、今は自宅で1人。それとなーく、なんともない振りして望に連絡してみたけど、仕事中らしく家に来られへんことへの謝罪と、なんかあったらなるべく出れるようにしとくから遠慮せず電話してこいと返事が来たのみ。
こういうとき事情を知ってる親友がいるのは正直めちゃくちゃ助かる。かと言って仕事の邪魔はしたくないから、本気で無理やと思うまでは電話はせんとくつもりやけど。
寝室から持ってきた布団を頭から掛けてソファで膝を抱えてはみるものの、全部閉めたカーテン越しでも分かるほどの光と音に不安は更に募るばかりで。
静寂に包まれた部屋に聞こえるのは、雨がものすごい勢いで窓を叩く音と、ゴロゴロと鳴り響く雷の音。そこに突然、スマホが通知を告げる高い音が聞こえて思わず心臓が跳ねてしまった。
『び、っくりしたぁ……あかん……心臓に悪すぎる……マナーにしとこ……、』
音が鳴るよう設定していたスマホのスイッチを切り替えマナーモードに設定する。用心に用心を重ねてバイブ設定も切っとこ。
そのついでに通知の内容を見るとツアーで地方にいる大ちゃんからのライン。"あかんかったら遠慮せずにのんちゃん頼りや"とのことだった。んー見抜かれてた。
『しかしどうしよ、』
いつまでも布団にくるまってるだけじゃ怖いまんまやし、かと言って布団から出るの無理やし。
『あ、』
ふと思い出して外が静かな内に急いで寝室に取りに戻ったのは、ライブのDVD。なんとなく誠也くんに言うのは恥ずかしくて、たいちぇくんにコソッと予約したよって報告したらめちゃくちゃ嬉しそうに「絶対感想教えて！」なんて興奮気味で言われたっけ。
そういえば忙しくてまだ見れてなかった
ちょうどいい機会やし爆音で見ちゃおう。そしたらちょっとは気も紛れる気がする。
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てと(プロフ) - 大変失礼致しました。設定変更させて頂きました。ご指摘下さった方々ありがとうございました。 (2022年10月22日 14時) (
レス) id: c558a54b1b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雲 - オ.リ.フ.ラ立ってます、、！外さないと違反になってしまいますよ〜^^; (2022年10月22日 12時) (レス) id: 375c64130e (このIDを非表示/違反報告)
オシヒカリ(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ… (2022年10月22日 10時) (レス) id: dcc6542c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2022年10月22日 2時
