88.願わくばあなたと ページ39
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毎年恒例のあれやこれやを見終わったものの、まだまだ寝る気にはなれなくて。ていうか誠也くん帰ってくるまでは起きてたいし。
夕方に途中で終わってたお正月料理の続きでもしようかな、って思い立ってキッチンに立ってから数分後、スマホが着信を告げた。
『もしもし？誠也くん？』
「あ、A？すまん、もう寝てた？」
『ううん、寝られへんからおせち作ってた』
「ちょうどよかった。俺今から帰るからさ、外出れる準備しといて」
『へ？』
「あと30分ぐらいで着くと思うから。ほなな」
『え？ちょ、……切れたし、』
言いたい事だけ言って切られた電話は、無機質な音が聞こえてくるだけ。
外出れる準備ってことはどっか出かけようとしてる？今からやったら初詣？でもそんな人混みなんか行ったらバレちゃったりせえへんかな。
不安な気持ちはあれど、この時間やしみんなきっと浮ついてて周りなんか見てないやろうし、大丈夫かなって気もする。なにより、久しぶりの誠也くんとのお出かけにウキウキしてる自分がいるのも事実で。
いくらなんでもすっぴんでは出かけられへんから軽めにメイクして髪もちょっと巻いて。パジャマから年末にセールで買ったばっかのニットとスカートに着替え終えた頃、狙ったかのようなタイミングで家の鍵が開いた。
玄関へと小走りで向かうと勢いはそのままに誠也くんに抱きついたのに、すぐに背中に腕を回してくれる誠也くんが愛おしい。
「びっくりした。どしたん」
『えへへ、おかえり。おつかれさま』
「ん、ただいま」
『あ。あけましておめでとうございます！』
「おめでとう(笑)」
『今年もどうぞよろしくお願いします！』
「こちらこそ(笑)」
『んへへ』
何となく照れくさくなって誠也くんの首筋に顔を埋めると、そのままぎゅっと抱き返してくれる。
「えらいオシャレしてんな(笑)」
『一緒にお出かけできると思ったら嬉しくなって張り切りすぎちゃった』
「そうなん？むっちゃかわいいやん(笑)」
『へん……？』
「変やないけどスカート短すぎん？」
『えー、そんなことないよ。普通よ』
「これ俺の前以外で履いたあかんで」
『え、なんで、かわいいのに、』
「かわいいからあかんねん。つうか外寒いから着替えてき」
『え〜〜〜』
「出かけるのやめて今からひめはじめでもええねんで？」
『すぐ着替えてきますっ』
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てと(プロフ) - 大変失礼致しました。設定変更させて頂きました。ご指摘下さった方々ありがとうございました。 (2022年10月22日 14時) (
レス) id: c558a54b1b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雲 - オ.リ.フ.ラ立ってます、、！外さないと違反になってしまいますよ〜^^; (2022年10月22日 12時) (レス) id: 375c64130e (このIDを非表示/違反報告)
オシヒカリ(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ… (2022年10月22日 10時) (レス) id: dcc6542c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2022年10月22日 2時
