52.その笑顔は反則だから ページ3
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『誠也くん、お話があります』
「……は？」
帰ってきて早々ソファの上で正座するAにそう言われた。なんでソファの上で正座しとんねんとか色々ツッコミたいことはあるけど、そんなことよりその顔が真剣で、あ、これ"ガチ"なやつなんやと腹を括る。
頭の中に浮かぶのは別れを告げられるか、妊娠を告げられるかの2パターン。後者やったらそりゃ嬉しいけど、今の俺にその資格はまだ無いから正直それも複雑で。
Aに聞こえるんちゃうかってぐらいバクバク鳴り続ける心臓は聞こえへんフリして隣に腰を下ろした。
「な、んなん、話って」
『あのね、大事な話なんやけど、』
冷静なフリを保ってても、いざとなるとやっぱり怖いもんは怖いし、背中に変な汗かいてくるし。別れ話やったらどうしよう。無理やねんけど。男らしくないとか年上のくせにとか言われても無理なもんは無理や。
「……嫌やで、俺は」
『へ？』
「あかんとこがあったんやったらなおすし、なんか怒らしたんやったら謝る。他に好きな男出来たって言うんやったらそいつに負けんぐらいにもっかい振り向かしたる。だから、」
『ちょちょ、ちょっと待って？誠也くんなんの話してんの？』
「え？別れたいって話ちゃうの？」
『え？どっからそうなったん？』
「え？ほんなら妊娠？」
『ほんまに待って？何言うてんの？』
でっかい目を更にでっかく見開いたAが不思議そうな顔でこっちを見つめていた。え、別れ話も妊娠もちゃうの？ほんならなんなん？
「だってお前が真剣な顔してるから」
『普段してへんみたいな言い方やめて？』
「みたい、じゃなくて事実やねん」
『失礼な。真剣な顔しかしてへんやんか』
「そういうとこやろ。ほっんまに、」
『わっ、』
安堵から思わずAの腕を引いてこっちに抱き寄せた。正座してたせいでバランスを崩してソファから落ちそうになったAを抱きとめそのまま腕の中に納める。
『どうしたん？』
「変な心配させんなあほ」
『勝手にいらん心配したん誠也くんやん』
「そりゃ帰ってきてあんな顔されたら誰でも心配なるやろ」
『んふふ(笑)』
「気持ち悪い笑い方すんな」
『ちょっと焦ってる誠也くん、かわいかった(笑)』
「かわいないわ」
『前にも言ったやん？嫌いになんかならへんし、誠也くん以上に好きになる人はこの先おらんよ？当分は誠也くんから離れるつもり無いから安心して？嫌って言われても隣におるから(笑)』
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てと(プロフ) - 大変失礼致しました。設定変更させて頂きました。ご指摘下さった方々ありがとうございました。 (2022年10月22日 14時) (
レス) id: c558a54b1b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雲 - オ.リ.フ.ラ立ってます、、！外さないと違反になってしまいますよ〜^^; (2022年10月22日 12時) (レス) id: 375c64130e (このIDを非表示/違反報告)
オシヒカリ(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ… (2022年10月22日 10時) (レス) id: dcc6542c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2022年10月22日 2時
