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「こっからが重要」
大光は人差し指を立てた。「先週、校内一の美人と名高い３年の先輩があいつに告白したんだけど、あいつ速攻で振りやがった。やばくね？」
「何が？」
「年上の綺麗系なのに、無理だったってこと。つまり、お前には１ミリの望みもない」
鼻で笑った。「関係ないよ。私は作間とデートができればいいの」
結局、週明けに学食の親子丼を奢るという交換条件で、彼を呼び出してもらえることになった。つまり彼は、友達に売られたのである。
「あの、ちょっと、用事を思い出したので」
漫画みたいに典型的な台詞を口にしながら、彼はブラウンのコートのポケットを探って後ずさった。大光に連絡を取ろうとしているようだった。
薄ら笑いを浮かべ、彼を見上げる。「先生に言ってもいいの？」
「え？」彼の手が止まった。
「去年のスキー合宿で、大光と宿舎抜け出してナイタースキーに行ったこと」
三白眼気味の瞳が、大きく見開かれた。
「ついでに、その時に女子大生に逆ナンされてコーヒー奢ってもらってたことも、先生に言うよ？」
彼の頬から、みるみるうちに血の気が引く。
「……なんで知ってるの？」
「安心安全な優等生の作間くんも、裏ではとんだ不良少年だよね」
「あれは大光が面白がってついて行っただけで、俺は仕方なく……」
一歩、彼の方に足を踏み出した。「バラされたくなかったら、今日１日、私とデートして」
彼は観念したように、へなへなと雪の上にしゃがみ込んだ。「……わかりました」
え、脅迫成功しちゃった。自分で驚いた。
そんなのどう考えたって、とっくに時効なのに。
バカなのかな。勉強はできても、そういうことには頭が回らないらしい。
「とりあえず、地下に入らない？」
白い息を吐いてよろよろと立ち上がった彼は、地下道の入口に向かい歩き出した。「俺、寒いの苦手なんだよね」
大光へ怨みつらみのメッセージを送っていた様子の彼は、スマホをポケットにしまってからこちらを見下ろす。「ひとつ聞きたいんだけど」
身構えた。
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真澄(プロフ) - 浬さん» コメントありがとうございます。5年前のいがさくのお話ですね！ちびさくにお兄ちゃんぶるガリさん書いててすごく楽しいので、読んで頂けたら嬉しいです♪ (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 0317dce8be (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - 仲直りはチョコの味キュンキュンしました！今回は昔のいがさくのお話ですかね？わくわくします(^ ^) (2021年2月22日 13時) (レス) id: 2a1dda425f (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» コメントありがとうございます。キャンパスライフ早く書きたいのですが、DKたちを卒業させるのももったいなくて悩ましいです(笑) (2021年2月13日 21時) (レス) id: d37291436f (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 浬さん» お久しぶりです！コメントありがとうございます。雪の降る日はけっこう直感で書いたのですが気に入って頂けて良かったです♪今回のも楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2021年2月13日 21時) (レス) id: d37291436f (このIDを非表示/違反報告)
爽 - またまたお久しぶりです。仲直りはチョコいいですね！更新待ってますね。大光君とのキャンパスライフも楽しみです(^^) (2021年2月11日 11時) (レス) id: 5e1c872bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年1月15日 16時
