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彼のセーターの首回りが大きく開いていて、綺麗に浮き出た鎖骨が露になっている。
その位置が立つとちょうど私の目の前にあり、そのせいで心臓が飛び跳ねた。
無意識のうちに彼の背中に回していた手を前に持ってきて、その広い胸を押す。「だめ。もうおしまい」
さくちゃんは少し驚いたような顔をした。「……嫌だった？」
「……嫌、じゃないけど」
叱られた子供のように悲しそうな表情を浮かべる顔と、その下の鎖骨とのアンバランスさが、なんだか私を慌てさせた。
「さくちゃんには、高校生らしくきちんと勉強してほしいの」
「俺だって、やらなきゃいけないことはちゃんとやってるよ？」
「普通に勉強して、普通に友達と遊んで、私と付き合っててもできるだけそういう、普通の高校生でいてほしいの」
さくちゃんがむっとしたように私を見下ろす。「それ、年上のAちゃんと付き合ってる俺は普通じゃないってこと？」
「そうじゃなくて」
このあたりからちょっと、話の流れが怪しいと思い始めた。
「だってそうじゃん。高校生らしいとか、普通の高校生とか、全然わかんない」
それに、とさくちゃんは斜め下に視線を落とした。「俺が本当に普通の高校生になったら、Aちゃんは絶対に他の人のところに行っちゃうもん」
私は驚いた。
「なんでそうなるの？ 私はさくちゃんしか好きじゃないよ？」
「Aちゃんにはわかんないよ」
投げやりのようなその言い方に、頭へ血が上る。つい強い口調になった。
「うん、ぜんっぜんわかんない！」
さくちゃんは目を見開いて、「俺だってわかんないよ！」と短く叫んだ。
「Aちゃんのために大人になりたいのに、Aちゃんには子供でいろって言われて、もうわけわかんない！」
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真澄(プロフ) - 浬さん» コメントありがとうございます。5年前のいがさくのお話ですね！ちびさくにお兄ちゃんぶるガリさん書いててすごく楽しいので、読んで頂けたら嬉しいです♪ (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 0317dce8be (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - 仲直りはチョコの味キュンキュンしました！今回は昔のいがさくのお話ですかね？わくわくします(^ ^) (2021年2月22日 13時) (レス) id: 2a1dda425f (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» コメントありがとうございます。キャンパスライフ早く書きたいのですが、DKたちを卒業させるのももったいなくて悩ましいです(笑) (2021年2月13日 21時) (レス) id: d37291436f (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 浬さん» お久しぶりです！コメントありがとうございます。雪の降る日はけっこう直感で書いたのですが気に入って頂けて良かったです♪今回のも楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2021年2月13日 21時) (レス) id: d37291436f (このIDを非表示/違反報告)
爽 - またまたお久しぶりです。仲直りはチョコいいですね！更新待ってますね。大光君とのキャンパスライフも楽しみです(^^) (2021年2月11日 11時) (レス) id: 5e1c872bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年1月15日 16時
