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「あっ、Aちゃん……と瑞稀くん！」
大昇くんは高１までの飛貴のクラスメイトで、うちにもたまに遊びに来る。
彼は瑞稀が大のお気に入りだった。
よっ、と手を挙げた瑞稀に、大昇くんが嬉しそうに駆け寄る。
その姿を見た私は、なんとなくゴールデンレトリバーを想像した。
「作間いる？」瑞稀が尋ねた。
「もちろん。休憩なしで出ずっぱりだよ。うちのクラスの命運は、さくちゃんの手に掛かってるからさ」
大昇くんに案内され、私たちは長蛇の列の最後尾に並んだ。
ひとつ前に立っていた３人組の女子高生は、系列の女子校の生徒のようだった。
そのうちの１人が、「なんでこんなに混んでるの？」と、昇降口で配っていたうちわを気怠げに扇ぐ。
「知らないの？ このクラスにすごいイケメンがいるんだってば。みんなそれ目当てだよ」
私の隣で瑞稀が、「さすが俺の作間」とほくそ笑んだ。
「へえ。でもそんな子、去年いたっけ。高３でしょ？」
「なんか、春に札幌の姉妹校から転校してきたらしいよ」
その女子高生は、意味深に声をひそめる。「……それがさ。転校の理由が、好きな人に会うためだとかって噂なんだって」
「え、わざわざそこまでする？」
「私は、寒いのが苦手だからって聞いたけど」
「どちらにしろ、ちょっと変わった人っぽいね」
頭の奥がちくちくと痛み始めて、私はハンカチで額を拭った。
「なんでお前が死にそうな顔するんだよ」瑞稀が溜息をついてこちらを睨む。
「だって……」私は階段の隅を見つめ、ぼそりと呟いた。
列整理の合間に大昇くんが話をしに来てくれたり、例のメイクのままジュースを差し入れに来た飛貴に瑞稀が叫び声を上げたりというくだりがあったのち、やっと私たちの順番が回ってきた。
「次のお２人様、どうぞ〜！」大昇くんの元気な声が響く。
教室に入ると、黒い服を着た人物が深く頭を下げて、私たちを出迎えていた。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
普段通り少しだけ鼻に掛かっていて、普段より棒読みな声だった。
さくちゃんは胸に手を当てたまま、体を起こす。「……と、お嬢様？」
私はさくちゃんを見上げ、思わず固まった。
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真澄(プロフ) - みおさん» 大ファンだなんて嬉しいです！これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします！！ (2022年6月10日 16時) (
レス) id: 1390cae94a (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 真澄さん、もう大ファンです！odi et amoといい、もう！作風好きすぎます！涙 (2022年6月7日 18時) (レス) @page37 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - あーるさん。コメントありがとうございます。どうか優斗の活躍を見届けてあげてください！今後も感想などお待ちしております！ (2020年10月8日 20時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
あーる - 初コメです！優斗くん、、、なんでいい子なんだろう涙出そうになりました（ ; ; ） (2020年10月7日 23時) (レス) id: f659d4fa7b (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 乃愛さん。コメントありがとうございます。ここからゆうぴの見せ所になる予定なので、引き続き楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (2020年10月7日 21時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2020年9月12日 11時
