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「龍我！ さくちゃんに見つかったらどうすんだって、何回言えば分かるんだよ！」
べっとりと赤ペンキの付着した白衣を着た那須くんが、手術台の下から這い出てくる。
彼は伊達眼鏡をくいっと持ち上げながら、龍我ちゃんの美脚を引っ張って私から引き剥がした。
２人は私の背後に目をやると、「あっ、瑞稀くんだ。こんにちは」と行儀よくお辞儀をする。
龍我ちゃんは那須くんに向かい、「さくちゃんは執事喫茶でひっぱりだこだから、こんなとこにはいないもんねー」とあっかんべーをした。
「さっきの休憩時間に４組のに行ってみたんだけど、さくちゃんの執事、めーっちゃかっこよかったよ」
めーっちゃ、に力を込めた龍我ちゃんは、「ね？」と那須くんに向かって首をかしげた。
「うん。女の子たちにキャーキャー囲まれて、写真いっぱい撮られてた」
「そうなんだ」
私はうなずいた。
「ちょっとぉ。次の人、全然来ないんだけど！」
間仕切りの向こうからハスキーボイスが聞こえ、腕や顎を包帯でぐるぐる巻きにされて白のカラコンを入れたおばけが出現した。「なんだ、姉ちゃんと瑞稀くんか」
「ひぃっ！」瑞稀が私の後ろに慌てて隠れる。
飛貴はにやにやしながら、「瑞稀くん、今日髪切ってほしいんだけどいい？ 終わったらこのメイクのままお店行くね」と瑞稀と腕を組んだ。
「やだ！ 絶対やだ！ いくら追加料金もらっても無理！」
廊下を歩きながら、顔色の回復した瑞稀はぶつぶつ呟いた。「飛貴のやつ、何様なんだよ。17年間あんなに可愛がってやったのに」
そして、「誰に似たんだか」と横目で私をじろじろ眺めた。おばけ屋敷を出た途端、元の性格に戻ってしまっている。
「よし。じゃあ、そろそろ行くぞ」
瑞稀が私の腕を掴んで、廊下を曲がろうとした。
「……行ってもいいのかな」
「作間と約束したんだろ」瑞稀があきれ顔になる。
３年４組の前にやって来た私たちは、呆然と立ち尽くした。
「なんじゃこりゃ……」瑞稀がぽかんと口を開く。
教室の出入口から伸びる順番待ちの列は、廊下を通り越し、階段まで続いていた。
「３の４、執事喫茶の最後尾はこちらでーす！」と元気な声で呼び込みをしていた少年が、私たちを見つけて手を振った。
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真澄(プロフ) - みおさん» 大ファンだなんて嬉しいです！これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします！！ (2022年6月10日 16時) (
レス) id: 1390cae94a (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 真澄さん、もう大ファンです！odi et amoといい、もう！作風好きすぎます！涙 (2022年6月7日 18時) (レス) @page37 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - あーるさん。コメントありがとうございます。どうか優斗の活躍を見届けてあげてください！今後も感想などお待ちしております！ (2020年10月8日 20時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
あーる - 初コメです！優斗くん、、、なんでいい子なんだろう涙出そうになりました（ ; ; ） (2020年10月7日 23時) (レス) id: f659d4fa7b (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 乃愛さん。コメントありがとうございます。ここからゆうぴの見せ所になる予定なので、引き続き楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (2020年10月7日 21時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2020年9月12日 11時
