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わが社の入社２年目研修は毎年、本店である私の勤務店舗で行われる。
久々に再会した全国各地の同期たちは皆、去年より少し頼もしい表情を見せるようになっていた。
内定者研修や新人研修の時とは異なり、研修翌日が早番の者もいれば、当日中に遠方まで帰らなければならない者もいる。よって研修最終日の夜に開かれた親睦会は、社員食堂を貸切にしただけのささやかなものだった。
会もお開きとなり、新人研修で同室だった大阪勤務の同期と名残を惜しんで抱擁する。
新幹線駅へと向かう彼女に手を振っていたところで、後ろからぽんっと肩を叩かれた。
「よっす。これから２人で二次会どうよ？」
ガリさんはラーメンをすする仕草をしながら言った。
「……さすがに、お腹いっぱいかな」
「だったら、ティータイムでもしようぜ」
彼はレオパード柄のネクタイを緩めた。「ちょっと、渡したいものあるし」
彼が向かったのは駅前にあるカフェチェーンだった。
「A、チョコクロいる？ 俺がおごってやるぞ」
私は首を横に振った。
「Aって小食だよな。１日のカロリー摂取量、俺の５分の１くらいだと思う」
「ガリさんが食べすぎなんだよ」
店員からストレートティーを受け取り、私は奥のテーブル席に座る。
向かいの席に腰を下ろした彼は、スーツのジャケットを脱いでから、アイスカフェオレを一気に半分ほど飲み干した。
そしてワイシャツの胸ポケットに手を入れると、小さなジップロックを私に差し出した。
一目見ただけで、私にはその中身が分かった。
何と言えばいいのか分からなくて、黙ったまま受け取る。
「ごめん、だそうです」
私はうつむいた。
「昨夜は無理矢理、あいつの部屋に泊まらされて酒盛りよ。俺、実家こっちなのに。にしても今日も仕事だってのに、下戸があんなに飲むかね？ 今日のあいつの顔やばかっただろ」
「……そうだっけ。あんまり見てなかったから分かんない」
ガリさんから渡されたのは、あの日、優斗の部屋で弾け飛んだ私のボタンだった。
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真澄(プロフ) - みおさん» 大ファンだなんて嬉しいです！これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします！！ (2022年6月10日 16時) (
レス) id: 1390cae94a (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 真澄さん、もう大ファンです！odi et amoといい、もう！作風好きすぎます！涙 (2022年6月7日 18時) (レス) @page37 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - あーるさん。コメントありがとうございます。どうか優斗の活躍を見届けてあげてください！今後も感想などお待ちしております！ (2020年10月8日 20時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
あーる - 初コメです！優斗くん、、、なんでいい子なんだろう涙出そうになりました（ ; ; ） (2020年10月7日 23時) (レス) id: f659d4fa7b (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 乃愛さん。コメントありがとうございます。ここからゆうぴの見せ所になる予定なので、引き続き楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (2020年10月7日 21時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2020年9月12日 11時
