1.5.あめのあと ページ5
あれから生徒会長は満足そうな顔をして「じゃあの」って壇上から降りていったし、電話番号が晒された人は鳴り止まないスマホを手に泣いてるし、隣は笑い続けててそろそろ息が止まりそうだし、壁側では柔らかそうな雰囲気の先生が教頭先生に謝り倒してるし、司会の人はあいつ名前言ってへんやんけ、なんて言いつつ何事もなく進行してるし、なんというか、カオス。
あ、緑の人は通話切って見たらいなくなってました。忍者かな？
「……大丈夫？」
「……っふ、だい、じょうぶ。っふふ、」
大丈夫ではない気がする。笑い上戸な彼は声を殺してまだ笑っている。
「さっきの人から電話かかってきたんだけど、あの人何者なのかな」
「……！！」
笑いが収まったみたいだ。
「電話？かかってきたんか、ゾムから？」
「ゾム？さんかは知らないけど、さっきキャットウォークにいた人」
「あー、まじか。完全狙いつけられとるやん」
俺のせい、いやぐるちゃんの差し金か、なんてぶつぶつ言ってる。というか、狙いつけられとるって！なに！？
口を開こうとするとちょうど会の終わりの挨拶がやけにええ声で響く。挨拶やら部活紹介やらいろいろあったけれど、生徒会長が全て持って行ってしまったなあ。それ以外覚えてないもん。
わたしたちのクラスに退場指示が出て、立ち上がり教室を目指して脚を動かす。その間に隣くん(仮)と自己紹介をしあった。関西弁の彼は小林くんと言うらしい。
出身中学とかとか、雑談しながら歩いてる間になんどもゾムには気をつけろよって言われた。それはもう嫌になるくらい何回も。だからゾムって誰よ。飴たくさんくれたから聞かなかったけど。
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透明子 - シケさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！ (2018年10月17日 0時) (
レス) id: 338f066e9c (このIDを非表示/違反報告)
シケ - 面白いです (2018年10月14日 17時) (レス) id: cfbdc17c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透明子 | 作成日時：2018年9月1日 11時
