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体育館の横にぞむぞむを見つけて駆け寄る。
「おー遅かったやん」
「飛び降りるとか常人には無理だよ」
「今度コツ教えたるわ」
「コツ」
目の前のグラウンドではサッカー部のやじが飛び交う中、命懸けの鬼ごっこが繰り広げられてる。ロケット花火とサッカーボールがあちこちで舞う様子は、軽く戦場だ。
「あれが例のツンデレ中学生や」
よく見るとたしかに見たことない顔。花火を人に向ける中学生もかなりやばいやつだな。まあ彼らとつるんでる時点でやばいやつなんだろうけど。
「今日はいつもに増して暴れまくっとるし、先輩いなくなって寂しかったんとちゃう？」
ぞむぞむが言いつつ中学生くんに手招きをする。気づいた彼はこねちゃんを完全に無視してこちらへやってきた。こねちゃんが叫んでいる、いや鳴いている。
「見ない顔ですね。どなたですか、この小学生」
「高校生だよ！」
たしかに、たしかにちっちゃいけど。そこまでか。いや中学生くんが大きいのだ。平均よりでかいよねこの身長。ぞむぞむに加えて首が痛くなる。
「最近みんなとお友達になりました。AAです。よろしく」
「ご丁寧にどうも。俺は後藤です。あのクソ先輩と同じ中学です。よろしくお願いします」
「ショッピくんショッピくん」
なにやらぞむぞむが耳打ちする。あまり表情の変わらない後藤くんの目が僅かに見開いて、ニヤリと光った気がした。
「ゾムさんありがとうございます。じゃ」
「おーがんばれ」
「後藤くん、ほどほどにがんばってね」
なんかいたずら吹き込んだな。後藤くんは軽く手を挙げ、こねちゃんの方へ向かっていく。と少し進んだところで振り返った。
あまり表情筋の動かない後藤くんの目線がわたしを射抜く。
「Aさん、ショッピでいいですよ」
数秒わたしを見つめたあと、一言漏らして再びこねちゃんに向かっていくショッピくん。思わず口角が上がる。心情はまだ読みづらいけれど仲良くなれそうな気がした。
「よかったな」
「うん」
グラウンドの真ん中で、またこねちゃんが爆発した。
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透明子 - シケさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて嬉しいです！ (2018年10月17日 0時) (
レス) id: 338f066e9c (このIDを非表示/違反報告)
シケ - 面白いです (2018年10月14日 17時) (レス) id: cfbdc17c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：透明子 | 作成日時：2018年9月1日 11時
