09.親バカジンくん ページ9
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懲りずに私を置いて｢ちょっとまた行ってくるわ〜｣と喫煙所に向かったふっかに頼まれたスクリーンを持って教室に入れば、やっぱり。
足を踏み入れて3秒。慎ちゃんが｢A？！お前どこ行ってたんだよ、心配しただろ！｣って私を見て叫んだ。
予想していた通り、1番前の席の彼(勿論うるさいから)は後ろから2番目の席の私が居ないことに気付いていなかったらしく。しかも｢起きたらAが居なかった！！｣って。
いや、寝てたんだね慎ちゃん。
(平野くんに連れられて)保健室、と曖昧に笑えば
｢なんで言ってくれなかったんだよ！オイお前Aが居ないの気付いてた？｣と近くにいた丸メガネの男の子の肩を揺らして聞き始めた。流石ガキ大将。
あそこに居たがために巻き込まれるなんて
松倉くん、ホント不憫。
｢それで？A、体調は？｣
『へ？あ、元気！大丈夫だよ』
｢そ、ならいいけど。次からは絶対言えよなー｣
『ごめんね、ジンくん』
｢ん、可愛い可愛いAが無事なら全然いいよ｣
この甘ったるいくらいの甘やかしをくれるジンくん、こと神宮寺勇太は初等部からの私と優太の仲良し。今までずっと一緒だったのに今年は優太だけクラスが離れちゃって、今は私とジンくんの2人。
ちょっと、いやだいぶ寂しい。
幼稚園から大学までエスカレーター方式のこの学園には私と優太みたいに幼稚園からの内部生、ジンくんと慎ちゃんみたいに初等部からの外部生、中等部からの外部生、高等部からの外部生がいる。
その中でも、特に外部生が多いこのクラス。
最初こそ内部生ってだけで怖がられていたけど
ジンくんのお陰で(チャラくて真面目な優等生)
段々皆と仲良くやれるようにはなってきた、気はする。
たまに優太のせいで他のクラスの女の子とはモメるけど。このゆうたの差ってなんですか？
クラスの女の子にはよく
｢神宮寺くんって、ちょっと親バカだよね｣
『親バカ？誰に？』
｢うん。え！勿論Aだけど。気付いてないの？｣
｢うんうん、Aちゃんのこと
すっっごい愛おしそうな目で見るよね｣
『ぜんっぜんわかんないけどそのすっっごいの強調なに』
「愛おしい〜〜〜って感じだよ！」
挙げ句の果てにはアレで分かんないなんて
神宮寺くん苦労してきてるんだね、可哀想に…まで
言われてしまった。
いやいやいや！え？可哀想なの私じゃないの？
あれ完全子供扱いなのに？って、思ってた。
まだこの時は。
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mun(プロフ) - このお話大好きです！これからも楽しみにしてます！ (2020年10月26日 17時) (
レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - コメントありがとうございます！パスワードは作品を見て頂ければ分かると思います。 (2019年1月3日 13時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みさと(プロフ) - パスワード知りたいです！ (2019年1月3日 12時) (レス) id: f4a3a3a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2017年9月10日 9時
