14.君が side/N ページ14
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『しょーお？話聞いてんの？』
｢…ん？わりぃ聞いてなかった｣
絶妙に掠れた声が後ろの席から聞こえてくるけど
それすらも周りの視線と叫び声で霞んでいる俺らの世界。
もう、気にもしないけれど。
『なんかあったん？』
｢…別に｣
『別にやないやろ』
その割に珍しく項垂れてるやん。
はぁーここはこの永瀬様が手助けしてやりますか。
俺にしては強く問い詰めれば観念した紫耀。
｢ほんっと、廉ってなんで俺のこと分かんの？
超能力なの？テレパシーとか使えんの？まって透視？｣
とキョトン顔の腐れ縁に呆れる。
しまいにはもしかして廉って俺のこと好きなの？
と言い出す始末だ、あーめんどくせ。
『…何年やってると思ってんねん、お前の友達』
｢もう十年以上？じゃあしゃーないか｣
真面目に答えなくてええねん。
つかしゃーないってなんやねんホンマ。褒めとるん？ソレ
『えーじゃあまとめるとー、助けた女の子が可愛くてちょっといいな〜って思ったから今日また声をかけたら女たらしって軽蔑された？しかも否定しなかったからどうしよ〜？いやそれは紫耀が悪いやん、かんっぜんに』
｢えーだって俺そんなこと言われたことないもん♡｣
ないもん♡やないやろなーにがないもん♡や。事実やん。
しかももんってなんや、もんって。可愛こぶんなアホ。
ちょっと興味あったんだよな〜ちぇっ
1人でブツブツ言ってる紫耀に心の中で
今までやってきたことのツケやんそんなのと思ったけど
口に出して言えないのは誰より一番隣にいる俺は
紫耀のソレの訳を知っているからで。
ねぇ紫耀、いつになったらソレやめんの？
もう、そろそろいい頃なんじゃないの？
『なぁ紫耀』
｢んー？｣
『もうそろそろ、ええんやない？』
ピタリと止まる動きにゴクリと喉を鳴らす。
あぁいつもそうだ。紫耀に踏み込むには、勇気がいる。
ずっと首元の紅い痣には気付かないフリをしてきた。
きっとそれが悪かった。
変えようとしなかった紫耀のせいでもあり
気付かなかったフリをしてきた俺のせいであるならば。
俺も紫耀も高等部からの外部生なのに2人とも派手髪をしていても何も言われないのは親が、というか紫耀の場合は祖父で俺の場合は父さんだけど。
多額の金を
結局そんなモンだ。世の中なんて。
だからその子で何か変わるなら
君が救われるのなら、なんだって俺がしたるから。
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mun(プロフ) - このお話大好きです！これからも楽しみにしてます！ (2020年10月26日 17時) (
レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - コメントありがとうございます！パスワードは作品を見て頂ければ分かると思います。 (2019年1月3日 13時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みさと(プロフ) - パスワード知りたいです！ (2019年1月3日 12時) (レス) id: f4a3a3a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2017年9月10日 9時
