月が綺麗ですね 廉side ページ41
廉side
ある春休みの1日。
俺らは2人で勉強会を開いていた。
会場はいつものように俺の家。
せっかく中3の春休みなのになんで勉強しとるかって？
いやーまさかの高校から宿題出されまして。春休みの。
しかも結構な量がある。さすが進学校やわ。
だけど、2人でやればあまり苦にも感じなくて。
いや、もしかしたら好きな人と勉強してるからかもしれんけど。
光「うわぁもうこんな時間だ！そろそろ帰ろうかな。」
気がつけばもう6時半。
もうすぐ4月になるとはいえ、既に外は薄暗く、空には星が煌めいていた。
「結構やったな。お疲れ様。」
光「うん、お疲れ様。廉とやってるから全然辛くなかったけどねっ。」
「おまっ……」
この無自覚天然小悪魔がっ！
光「ん？廉顔赤いよ？暑い？」
まだ3月の夜やぞ？暑いわけないわ！
ほんま自分が発した言葉が原因とも知らずに……
「なんでもない。ほら、もっと暗くなるからはよ帰ろ。」
自分でも分かるほど赤くなった耳を必死で隠しながら平然を装って話しかける。
自分のすぐに赤くなるこの癖が嫌いや。
この天然小悪魔と一緒にいると毎日心臓がうるさい。
そして毎日のように赤くならざるをえない。
まぁ好きになった方が負けってことやな。誰かがそんなこと言っとったし。
でも主導権握られとるようでカッコつかないし悔しい。
光「えっ……！ちょ、廉！？」
だから、手握るくらいは俺に主導権握らせてや。
こうすれば光の真っ赤な顔が見られるし。
一石二鳥もいいとこや。
「ほら。はよ帰んで。」
光「うわっ！ちょっと待ってよ！」
俺に手を引かれて慌てて小走りで着いてくる光。
その顔はまだ赤いままで。
「顔赤いで？熱でもあるんちゃう？笑」
さっきの仕返しにとそんなことを言う。
光「もう！廉のせいなんだからね！」
そう言う顔はぷくっと頬を膨らませて拗ねたよう。
くそっ、、結局やられるのはこっちか。
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作者名：コットンP | 作成日時：2021年12月9日 18時
