・ ページ40
・
「そういえば、なんで傘1本しか持ってないのに三神に傘貸したの？」
さっきから気になってたこと。
だって貸したら自分が濡れて帰ることになるかもしれなかったのに。
廉「ん？いや、元からこうするつもりやったし。」
こうするって相合傘？
「そんな最初から考えてたの？笑」
というか、
「私奈那ちゃんたちと先帰っちゃってたらどうするつもりだったの？笑」
それこそ完璧濡れるじゃん。
廉「あー、そういや考えとらんかったわ。
確かにそれだと濡れるな。」
はっ？考えてなかっただと？
天然かよっ！
·····って天然か。
廉「結果そうならなかったんやからええの。」
まぁそうだけどさ。
廉「雨って憂鬱になったりするやん？でもさ、こうやって相合傘しとるとなんか雨でもええかもって思わん？」
そう言われてみれば、、
「確かに相合傘できるのって雨の日限定だもんね。」
「そう考えるとなんか得した気分笑」
廉「そうやろ？」
あ、家に着いちゃった。
「送ってくれてありがとね。」
廉「送るのは当たり前やろ。笑」
それは、なんか照れるよ。
というか、
「廉、家までどうやって帰るの？」
廉「え？どうやってって歩いてやけど。」
「いや、そうじゃなくて。傘だよ！持ってないじゃん。」
廉「あ、ほんまや。」
これだから天然は·····
しょうがない、
「私の傘貸すから明日返して。」
廉「これ？この花柄の傘を男1人で差して帰るん？めっちゃシュールな絵やな笑」
確かに男子が差すには可愛すぎかもだけど·····
「風邪ひくよりいいでしょ！」
廉「ふはっ！そうやな、じゃあ借りてくわ。ありがとな。」
「ちゃんと差すんだよ！」
廉「はいはーい。」
そういうと、じゃな、と手を上げて後ろを向いた。
雨って憂鬱なだけだとずっと思ってたけど、こんな楽しみもあるならたまには雨の日があってもいいかも。
少し雨のことが好きになった日だった。
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コットンP | 作成日時：2021年12月9日 18時
