・ ページ28
・
彩「ん〜！気持ちいー！」
俺たちはあれから電車で2駅ほどのところにある浜辺に来ていた。
あ、親の許可は得たから大丈夫。
3月の夕方ということもあり、浜辺にはほとんど人がいなかった。
波の音が心地よかった。
彩「そういえば、神宮寺。なんで海？」
「ん？合格したご褒美？笑」
彩「え？そういうこと「嘘。」
え？」
「いや、嘘ではないか…ご褒美でもある。
だけど、本当の理由はそうじゃない。」
彩「本当の理由？」
2人で並んで腰を下ろし、
俺は意を決して話し始めた。
「なぁ。初恋は実らないって言うよな？
ならさ、その次の恋って実るのかな？」
彩「次の恋？神宮寺、もう光は吹っ切れたの？」
「あぁ。結構前にな笑
あの2人見てたらもう応援するしかないさ。」
彩「そっか…でも神宮寺が次に進めてるなら良かった。」
彩「それで、次の恋のことだけど、私は"実る"だな
んて無責任なこと言えない。
でもさ、神宮寺が好きな人に真剣にありのままの想いを伝えれば、実る可能性は十分にあると思うよ。
そんなクヨクヨするな！自信持て！神宮寺！
それに、気づいてないかもたけど、神宮寺結構モテるんだよ？」
……なんか、凄い胸に沁みた。
「俺モテた記憶ないけどな…」
彩「神宮寺、光に夢中だったから皆告白出来なかったんだよ。」
「なんだそれ…笑
でも、ありがと。自信ついた。
じゃあ、もう1つ話聞いてもらっていい？」
彩「うん、なんでもどうぞ？」
「俺のさ、"次の恋" 実らせてくれない？」
彩「……え？どういう、こと？」
そこからは必死だった。
「最初は光と仲良い子ってだけで、廉も入れて4人で仲良くなって。
俺が光のことで悩んでた時もずっと相談乗ってくれて、その後もずっとそばにいてくれて、ほんとに嬉しかった。」
「いつの間にか、俺の中で大きな存在になってた。俺さ、チャラいとか言われたりするけど好きじゃないのに一緒に出かけたり海だなんて行かないよ？」
彩「…っそれって…」
「彩ちゃん。俺は彩ちゃんのことが好きです。
俺の恋、実らせてくれませんか？」
言い終わって白木を見ると俯いて黙っていた。
「ごめん、急で驚いたよな。
返事は、「…バカっ」｣
え？
泣いて、る？
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：コットンP | 作成日時：2021年12月9日 18時
