王子の救いの手 Ren.N (ページ21)

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twenty one ページ21

廉｢お、朝香！見て！｣

永瀬の声でハッと我に返り、前を向くと最後の一番大きい花火が上がった

うわぁきれい

その花火が消えてしまうと花火の後の静けさが辺りを包んだ

永瀬と一緒に見れて良かったな

来年も一緒に見れたらいいのにな

この花火が終わったということはそろそろ帰らなければいけない時間

この時間が終わらなければいいのに･･･

｢よしっ行こ！彩たちが待ってる｣

そう言って立ち上がると

廉｢光！｣

いきなり名前を呼ばれて腕を掴まれた

｢え･･･今、私の名前･･･｣

廉｢嫌やった？｣

｢いや･･･嫌ではない｣

廉｢ならええやん
･･･あのさ、俺ら志望校同じやん？もしさ、2人とも無事に受かれたらさ･･･また来年一緒に花火見に行かん？｣

暗くてよく顔が見えないけど、顔を赤くしながらそう言う永瀬

え･･･私と同じこと思ってくれてるなんて･･･

廉｢ごめん、変なこと言った
行こっか｣

何も言わない私にそう言って永瀬は先に歩き出す

｢まって！私も来年も一緒に見れたらいいなって思ってたから、その･･･嬉しかった｣

廉｢ほんまに？良かった
あ〜なんかやる気出てきたわ！受験頑張れそうや
2人とも受かろうな！光！｣

｢うん！永瀬、ありがとう｣

廉｢俺は光って呼んどるのに廉って呼んでくれんの？｣

うわっそう言われると恥ずかしいな

｢･･････廉｣

廉｢//それでええ｣

それから彩たちのところへと向かった

これからもっと受験勉強頑張んなきゃ

永瀬と一緒の高校行けたらいいな

そしたらこの気持ちも伝えてみたい

この夏祭りは私にとって大切な思い出になった

いつも学校では毎日と言っていいほどテストのことを考えてメンタルがボロボロになってる私に、神様は最高のご褒美を与えてくれたみたいだ

もうすぐ学校が始まるけどこれからは永瀬との約束を胸に勉強を頑張ろう