◇Story.7 ページ7
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ママ情報によると大学の夏休みが明けるまで
宏太は実家にいるらしい。
また、昔のように近くにいると分かっていても
少しは私だって成長しているから
アポなしで会いに行く、
いわゆる突撃訪問はできるわけはなく
かといって約束する勇気も何となく出なくて
ただ、ひたすらに学校生活を送り
そんな生活に溜息をつくしかなかった。
・
大貴「おい、今日で溜息何度目だ。」
あ「んー、三度目?」
・
大貴「ちげぇわ!10回目だ。」
あ「数えてるなんて暇人。」
・
大貴「それはお前が何度もつくからだろ!」
・
何て言ってくるもんだから、今度は
意識的に11回目の溜息をついた。
・
大貴「お前が溜息つくと俺の幸せまで逃げていく。」
あ「ちょっ、人の顔の前で手を動かさないでよ。」
・
“幸せ”何て形あるものじゃないのに
まるで空気の中に浮かんでいるかのように
ぎゅっぎゅっと掴んだ大貴は
それを口に運んでパクパクと食べるふりをする。
・
きっとこういう人だから恋愛で悩んだことないんだろうな。
聞くところによると意外とモテるらしいし……
・
こっちは人生3度訪れると言われているモテ期が
一度も来たことないって言うのに。
・
大貴「何だよ、その軽蔑した目は。」
あ「別に……。というか、大貴って好きな人いるの?」
・
大貴「は?」
あ「いや、だから……好きな人!
え、何……いないの?」
・
普通の質問をしただけなのにむっとした表情をして
私を睨んできて、
あれだけ人に注意してたくせに
自分が大きな溜息を盛大について……
・
“お前って超単細胞の上に鈍感なんだな”
・
ってぽつり呟いた。
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2014年9月6日 18時